夜中の編集局。通信社の速報が自動車F1シリーズ・モナコグランプリでホンダが29年ぶりに優勝したと報じた。1992年も編集局内にいたのをよく覚えている。そんなに前とは。
当時は外勤記者で、泊まり勤務。ホンダエンジン車のアイルトン・セナが、ルノーエンジンのナイジェル・マンセルを追うレース中継を見ていた未明、火事の一報で現場に向かった。
デスクにどやされながら電話で報告を入れ、帰社した時にはセナがマンセルの前を走っていた。市街地の周回コース、「抜けない、ここはモナコ、モンテカルロ」と手に汗握る死闘の末、トップを譲らずチェッカーフラッグを受けた。
創業者・本田宗一郎氏の夢を背負い、究極のエンジンで最高峰レースに挑んできたホンダは、その後F1撤退・復帰を繰り返したが、今季限りで完全撤退。さらに2040年をめどにガソリン車を撤廃して全車を電気自動車と燃料電池車にするという。
先ごろ買い替えたマイカーもハイブリッド車で、ついにタコメーターがなくなった。音も無くスーっと発進する車は、何だか見知らぬ他人のようで慣れない。
(整理部次長 阿久津康子)
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