アストラゼネカのワクチンは副反応の疑いで治験を一時中断していた=ロイター
【ロンドン=佐竹実、ニューヨーク=野村優子】英製薬大手のアストラゼネカは23日、英オックスフォード大学と開発する新型コロナウイルスのワクチンについて、全世界で臨床試験(治験)を再開したと発表した。副反応の疑いで中断していたが、米食品医薬品局(FDA)が同日、安全性に問題は無いとして許可を出した。
同社は米国、英国、ブラジル、南アフリカ、日本で治験を実施している。9月に英国で深刻な副反応の可能性が浮上し、安全を確かめるために一時中断していた。米国以外では当局から再開の許可を得ている。年内に治験結果を当局に申請し、早期の実用化を目指す。
日本政府は同社から1億2千万回分の供給を受けることで合意している。同社は23日、「大規模なワクチンの治験では、参加者の体調の異変は珍しくない」と説明した。
米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も最終治験を中断していたが、23日に再開する方針を発表した。
J&Jは治験参加者に原因不明の疾患が発生したとして12日、米国や日本を含め世界で治験を中断すると発表。FDAと協議のうえで、再開に向けた準備を進めている。原因不明の疾患を引き起こした明確な原因は特定されていないものの、ワクチンが原因であるとの証拠はないという。
新型コロナのワクチンは通常のワクチンに比べて異例の速さで開発が進んでいるだけに、効果の確認や安全確保が課題だ。にもかかわらず、トランプ米大統領が11月3日の大統領選挙前にワクチン投与を求めるなど、政治的な利用も懸念される。アストラゼネカなど欧米の製薬9社は9月、安全を最優先し、効果が確認されるまでは当局に承認を求めないことを確認している。
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