東京証券取引所は２日、システム障害で１日に終日停止した株式全銘柄の取引を午前９時から正常に再開した。障害の原因だった故障した機器は交換。東証のシステムを利用する札幌、名古屋、福岡の証取も再開した。東京株式市場の日経平均株価は反発し、売買終日停止前の９月３０日の終値に比べ１８０円超上昇する場面もあり、復旧を好感する動きとなった。日経平均の午前の終値は３４円５０銭高の２万３２１９円６２銭だった。
東証株価指数（ＴＯＰＩＸ）は０・５３ポイント安の１６２４・９６で午前の取引を終えた。
前例のない取引の終日停止から一夜明け、市場では「売買停止の原因がサイバー攻撃などではなく、ハードウエアの故障と分かっていたことや、２日に無事売買が再開できたことで安心感が広がった」（大手証券関係者）といった声が聞かれた。
また、米株式市場が１日まで２営業日連続で上昇していたことも好感され、買い注文が優勢となった。
もっとも、日経平均は上げ幅が５０円程度まで縮小する場面もあった。「日経平均の２万３千円台は、市場が来年以降の景気回復を織り込んだ水準で、システム障害とは別に上値は重いだろう」（ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト）といった指摘もあった。
１日の売買停止までに投資家から受け付けた注文は全て無効扱いとなり、再開後の２日の取引には引き継がれない。
１日朝の故障時には、本来作動するはずのバックアップ装置への切り替えが正常に行われなかった。以前のテスト時にはうまく切り替わっており、東証はこの動作不良の原因も調べている。
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