スウェーデンのボルボ社の小型SUV(スポーツ用多目的車)「XC40」は2018年、日本市場へ導入されると高い人気を得たモデルだ。今回、プラグインハイブリッド車(PHV)が追加された。車名はやや長く、「XC40リチャージ プラグインハイブリッド T5」という。
排気量1476ccの直列3気筒ガソリンターボエンジンに、最高出力60キロワットの永久磁石式同期モーターを組み合わせ、7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)変速機を装備する。駆動方式は前輪駆動(FF)だ。同社の上級車種のPHVが後輪駆動(FR)でモーターを使うのに対し、このクルマはFFでモーター走行を行う。
走り出すときはモーターを使う。メーター表示でリチウムイオンバッテリーの充電量がゼロとなっていても、モーターを動かす電力だけは残るように設計されている。発進時にエンジンを使うと最も燃費を悪化させるための配慮だ。
ハイブリッド車(HV)としての走行モードは三つあり、「標準」はハイブリッドで、バッテリーに充電量があれば優先的にモーター走行を続ける。次の「ホールド」は充電量を保持しながら走行するモードで、エンジンとモーターを併用しながら、回生を
例えば、高速道路を流れに乗って走行している状況では「チャージ」を使い、エンジンが低い回転数のままで速度を維持できるので燃費は良い上、高速道路を降りて市街地でのモーター走行用に充電しておくといった利用が最適だろう。
エンジン主体の走行でも十分な力を発揮し、加速に不満はない。また、軽自動車や小型車などで採用例の多い直列3気筒エンジンだが、ボルボのクルマではほとんど3気筒特有の振動や騒音を実感することがなく、快適だ。加速の際には変速機が作動するが、デュアルクラッチのため変速も滑らかで、モーター走行とも大きな差がなく、好ましい。
一方、変速機があるからか、回生を利用して減速するものの、停車する直前あたりで減速度合が鈍ることが数回あった。最後にスッとクルマが前へ進んでしまう様子となり、慌ててブレーキペダルを強めに踏んだ。回生および摩擦ブレーキによる減速、変速機のギア設定などが絡み、速度が低くなったところでの相互制御が難しいのかもしれない。
それ以外は、市街でも高速道路でもいたって快適に走り、小型SUVといえども上質さを感じさせた。ただ、価格は649万円と小型SUVとしては高価で、XC40の廉価車種(HV)に比べて240万円も高くなっている。もちろん、好みなどもあるが、今秋にも発売される同社の電気自動車(EV)の価格と比べてから判断するというのもありかなと思う。
からの記事と詳細 ( PHVモデルを追加、3気筒エンジンとも相性抜群 ボルボ「XC40リチャージ プラグインハイブリッド T5」(Vol.618) - 読売新聞 )
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