水素が燃料で二酸化炭素(CO2)がほぼ出ない「水素エンジン」。21~23日に富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開かれた24時間耐久レースに、トヨタ自動車が水素エンジン搭載車で初参戦した。「脱炭素」の新技術を、レースを通じて開発するという。トヨタはモータースポーツを「いいクルマづくり」の根幹に据えてきた。トヨタのレーシング部門トップの佐藤恒治・執行役員(ガズー・レーシング・カンパニー プレジデント)に、その理由や参戦の舞台裏を聞いた。
さとう・こうじ 東京都出身。早大理工学部卒。1992年、トヨタ自動車入社。シャシー設計をへて、高級車「レクサス」のチーフエンジニアになり、クーペ「LC」を開発。2020年9月から現職。レクサス部門トップも兼任し、執行役員としてトヨタのブランド戦略を担う。51歳。
――水素エンジン車で耐久レースに参戦しました。
「『脱炭素』を実現するために内燃機関であるエンジンを使うのは、元々検討されてきたアイデアの一つです。いろんな企業や研究機関がこれまで水素エンジンの研究をしてきました」
「だけど、難しい。水素って、燃えやすくて、燃焼が早い。エンジンの中に入った時に、狙った1番良いポイントで燃やしたいのですが、なかなかできない。また、水素自体がもともと持っているエネルギーが小さいので、燃費効率の良い燃やし方を考えないといけません。今のままだと、燃費が悪いのです。水素エンジン車をテストで走らせることはできますが、商品化しようとすると課題がたくさんある」
「2016年ごろから水素エンジンの研究をやってきました。実は社内では『研究はやめた方がいい』といわれていました。先が見えないからです。難しくて課題が多すぎて、量産化は無理だと思われていたのです」
章男社長に頼んだ試乗
――それがなぜ、レースに参戦することになったのですか?
「社内で日の目を見ていない…
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