第3回で紹介したエンジンの技術が、後に一般的になったのに対して、今回登場する5機種にそういった気配は希薄である。
もちろん、革新的であることに疑いの余地はないのだが、他メーカーが追随を考えないほど、今回紹介する5機種は独創性に富んだ構成を採用していたのだ。
1971年~ スズキGT750
日本製ビッグバイクの黎明期を振り返って、よくも悪くも好対照と言えるのが、カワサキが1968年/1972年から発売を開始した500SS/750SSと、スズキが1971年に世に送り出したGT750である。

両車のエンジンはいずれも2スト並列3気筒だったのだが、イケイケの姿勢で2ストの美点を伸ばすことのみに注力したカワサキに対して、スズキは4ストと同等の扱いやすさと静粛性を徹底追及。

その結果としてGT750が採用したのが、1970年代初頭としては画期的な水冷システムと、2ストらしからぬ構成の4本出しマフラーだった。

なお当時の両社の状況を考えれば、2ストでパワーを出すノウハウは、世界GPで数々の栄冠を獲得したスズキのほうが豊富だったのだけれど、すでに4スト並列4気筒を搭載するZ1(900cc)の開発に着手していたカワサキとは異なり、2ストに全精力を投入していた1970年代初頭のスズキは、万人に受け入れられることを念頭に置いてGT750を開発したのである。
1985年~ スズキRG500Γ
世界GPを戦う2スト500ccレーサーのレプリカとして、1980年代中盤に発売されたヤマハRZV500R、ホンダNS400R、スズキRG400/500Γは、いずれも革新的なモデルである。

とはいえ、3車の中で最も「レプリカ度」が高かったのはRG-Γで、ワークスマシンRGΓ500の構造をできるだけ忠実に再現していた。逆に言うならRZVとNSは、当時のヤマハ/ホンダのGP500レーサーとは似て非なるメカニズムを採用していたのである。

アルミ製ダブルクレードルフレームに搭載されるエンジンは、ロータリーディスクバルブ吸気のスクエア4気筒で、レーサーには存在しないエアクリーナーボックスは、ステアリングヘッド後部のデッドスペースに設置された。

フルパワー仕様の500の最高出力は、ライバル勢を圧倒するだけではなく、同時代に販売された輸出仕様の4スト750ccに匹敵する95psだった。
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