「ちょっとチクッとしますよ」「気分は悪くなっていませんか?」注射器をうち終え、女性が優しく語りかける。だが、ここは新型コロナワクチンの集団接種の会場ではない。平日の午後5時過ぎ。東京都新宿区にある東京都看護協会に、「潜在看護師」と呼ばれる医療現場を離れている看護師や介護施設で働く看護師が集まり、筋肉注射の実技研修を受けていた。迅速かつ確実に、より多くの人にワクチンを接種することが重要となる中、起爆剤として期待されるのが「潜在看護師」だ。【BuzzFeed Japan / 千葉雄登】
「もう少し直角に」「注射をする前に声かけをして」
接種の手順や問題発生時の対応など、基本的な情報を座学で1時間程度講習した後、実技研修が始まった。 きちんと注射できれば緑色のランプが灯る器具を使いながら、看護師たちは順々に筋肉注射にチャレンジしていく。 瓶から注射器に水を入れ、接種部位をアルコール消毒し、直角に針を刺す… 「もう少し直角に」 「注射をする前に声かけをして」 「ここだと(位置が)高すぎるから、もう少し下に」 講師も丁寧に、一人ひとりにアドバイスをする。上手くいかないことがあれば、同じ手順を何度も繰り返す。 「しびれは感じませんか?」 「このまま15分ほどお待ちください」 最初は恐る恐る作業していた看護師たちも、2回目、3回目と回数を重ねるうちにスムーズに接種できるようになっていった。
「条件に合う会場があれば、また働きたいです」
BuzzFeed Newsの取材に、参加した看護師の女性の一人は、すでに渋谷区の集団接種会場で働くことが決まっていると明かした。 女性は7年前に医療現場から離れた。しかし、感染リスクが高くなく、自分にできることがあれば協力したいと考え、集団接種会場で働くことを決めたという。 実際に働き始める前に、接種の手順やワクチンの情報について学ぼうと、東京都看護協会の実技研修に参加した。 「私自身、ブランクが7年あるので、接種の手技などを学びたいなと思い、研修を受けられる場所を探しました。実際に使う機材に触りながら体験できたことがとても大きかったです」 別の女性は、数ヶ月前まで新型コロナ対応を行う外来で働いていた。だが、勤務の形態と自身が望む働き方がマッチせずに退職。 希望に合った働き方を模索する中で、ワクチンの集団接種会場が選択肢の一つに浮上したと話す。 「医療現場では静脈注射や皮下注射などはうったことがあったけど、筋肉注射をうった経験はあまりなかったので助かりました。通勤距離など現実的な条件に合う会場があれば、また働きたいです」
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