- 2021/05/22
- Motor Fan illustrated編集部
ルノー・スポールのハイパフォーマンスカーを支える2.0ℓ版エンジン:F4Rの2種をご紹介しよう。
フランス語で「鋳鉄」を意味する“フォンテ・エンジン”とも呼ばれるF型系列は、アルミヘッド(ブロックは鋳鉄)のA型系列の流れをくんだOHC直4エンジンとして1982年に登場した。初出は2バルブの1.8ℓディーゼルエンジン:F8Mで、翌1983年にガソリン仕様のF2N型1.7ℓが登場。1986年には排気量を2.0ℓに拡大したF2R型がデビュー、翌1987年にはこれをインジェクション化したF3R型も市場に投入された。
一方で、それまでの1.4ℓターボに代えてスポーツユニットとしてDOHCヘッドを持つF7Pがルノー初の4バルブDOHCとして1988年に登場。『R19』『クリオ』に搭載されて抜群の存在感を放つ。1993年には排気量を2.0ℓに拡大したF7R型があらわれ、『クリオ ウイリアムズ』『メガーヌ』『スピダー』などに載せられハイパフォーマンスを発揮した。
F4R型はいわばF7R型の後継機ともいえる存在で、1.8ℓのF4P型とともに1998年にデビューを果たした。当然のことながら16バルブDOHCヘッドは引き継いでいる。1999年の『クリオR.S.』への搭載にあたっては吸気側に2ステージVVTを装着、2001年には電制スロットルバルブとし、2004年には4-2-1構造の排気マニフォールドを備えることで、最高出力を高め続けてきた。
■ F4R
気筒配列 直列4気筒
排気量 1998cc
内径×行程 82.7×93.0mm
圧縮比 11.5
最高出力 147.5kW/7100rpm
最大トルク 215Nm/5400rpm
給気方式 自然吸気
カム配置 DOHC
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 PFI
VVT/VVL In/×
(クリオR.S.)
F4Rt
マルチポイントEFIの16バルブDOHC、F4Rエンジンのターボ過給版がF4Rtである。ターボチャージャーはツインスクロール式だ。
スポーティなイメージの車両に搭載されているために出力向上目的のターボ過給と解釈されがちだが、実はこのエンジンこそが、ダウンサイジング思想に基づく「TCE」コンセプトに則って企画された「TCe180」(“180”はhpでの出力を示す。約134kW)エンジンなのである。もとが2ℓのF4Rエンジンであるため、実際には従来の2.5~2.8ℓの排気量をカバーする意図がある。無論、ターボ過給の目的は出力/トルク向上だけでなく、燃費と環境性能の向上にもあることは言うまでもない。ターボ過給ゆえにシリンダーブロックやバルブなどにはF4Rとは別材質が使用されており、ターボの最大過給圧は1.8barとなっている。当初は吸排気カムタイミングは固定式だったが、のちに吸気側にVVTを備える仕様が登場している。
■ F4Rt
気筒配列 直列4気筒
排気量 1998cc
内径×行程 82.7×93.0mm
圧縮比 8.5
最高出力 184kW/5500rpm
最大トルク 340Nm/3000rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 PFI
VVT/VVL In/×
(メガーヌR.S.)
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