日本航空(JAL)の完全子会社で国際線LCC(格安航空会社)の「ZIPAIR Tokyo(ジップエア トーキョー)」が採用を拡大する方針を固めたことが21日、分かった。航空業界は新型コロナウイルスの感染拡大で乗客が軒並み激減している。採用の見送りや手控えが相次いでおり、異例の経営判断となる。
ジップエアは、JALが50%出資する国内線LCC「ジェットスター・ジャパン」で解雇される恐れのあったパイロットや客室乗務員の採用活動を進める。今月25日で閉鎖することが決まっているジェットスターの関西拠点に所属するパイロットと客室乗務員を採用する方向で、選考を始めている。ジェットスターは関西所属のパイロットらを、成田空港など国内の別拠点に移すことも検討したが、受け入れは難しかった。
ジップエアは2018年に設立された。コロナ禍で延期を余儀なくされていた成田―ソウル線の旅客便を今月16日に就航。28日にバンコク線を就航させるほか、来月には国土交通省からホノルル線就航の認可取得も目指す。さらに、来年度には米ボーイング社の中型ジェット機「787」を追加で2機導入する方向だ。
LCCの多くは世界的な需要急減に苦しんでおり、エアアジア・ジャパンが12月に事業を廃止する方針だ。ジェットスター・ジャパンも路線縮小を発表している。ジップエアはLCCでは異例とも言える国際線の拡大を図っており、即戦力の人材採用が急務となっていた。
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