東京都は25日に発令される緊急事態宣言に合わせ、酒類提供飲食店や商業施設に対し、幅広く休業を要請する。対象の施設や店舗は24日、休業を決めるなど対応に追われた。(岡本太)
◆2度目より厳しく
昨年4~5月の宣言時には時短要請だった飲食店は今回、酒類やカラオケ設備を提供する場合、より厳しい休業要請の対象となる。その他の休業要請の対象施設は床面積の合計が1000平方メートルを超えるボウリング場やスポーツクラブなどの屋内運動施設、パチンコ店、映画館、博物館など。今回新たに百貨店やショッピングセンターなどの大規模施設(生活必需品売り場を除く)も要請対象に加わる一方、ネットカフェ、大学、図書館、学習塾は外れた。
スーパーマーケットやコンビニエンスストア、本屋、家電量販店などは生活必需品を扱うとして、今回も要請の対象外。
都内の百貨店は食料品売り場などを除き、25日からの休業を発表。よみうりランドなど遊園地も相次いで休園を決定した。
都は、対象業種のうち1000平方メートル以下の施設についても特措法に基づかない都独自の取り組みとして休業協力を依頼する。
◆不自然な休業要請は協力金支給が背景か
ゴルフ練習場は「無観客開催」なら営業OK…。首をかしげるような休業要請の区分けも見られる。
都は遊園地などのテーマパークや劇場、ゴルフ練習場などは休業ではなく「無観客開催」を要請する形にした。都は遊園地などへの休業要請も視野に入れていたが、国が宣言発令の決定直前に「無観客開催」とするよう基本的対処方針を策定したためだという。
都によると、遊園地での無観客開催はロケ撮影、劇場はオンライン公演や練習での利用を想定している。
ゴルフ練習場やバッティングセンターについても「応援する人がいなければ営業しても問題ない」と決めた。都の担当者に聞くと「国との協議の結果。私もバッティングセンターの観客なんて、ほとんどみたことがないのですが…」と戸惑いを浮かべた。
休業要請に従った施設には国が財源の一部を負担する協力金が支給されるが、無観客開催の要請の場合は支給対象外となることも、背景にあるとみられる。
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