政府は、航空自衛隊F2戦闘機の後継となる次期戦闘機のエンジンについて、重工大手IHIと英ロールス・ロイスの共同開発とする方向で調整に入った。レーダーに探知されにくいステルス性能などは米ロッキード・マーチンの支援が決まっており、日米英の技術力を結集させたい考えだ。
次期戦闘機は、F2の退役が始まる2030年代半ばからの導入を目指している。三菱重工業が開発主体として機体の設計やシステム開発を行い、最新鋭のステルス戦闘機F35の開発実績があるロッキードから技術支援を受けている。
機体の心臓部に当たるエンジンは、海上自衛隊のP1哨戒機などのエンジン開発を行ってきたIHIが担当する。ただ、コスト削減や性能向上に向けた国際協力態勢の構築が課題になっていた。
ロールス・ロイスのエンジンは、海自のP3C哨戒機などに採用されており、日本政府内で評価が高い。英国も現在、次期戦闘機「テンペスト」の開発を進めている。日英協力が実現すれば、双方に利点が大きいとみて、両政府の高官が詰めの協議を行っている。
防衛省は次期戦闘機について、20年代半ばに試作機の製造を行う日程を描いている。22年度予算の概算要求でエンジンや機体の設計費を盛り込む方針だ。最終的には開発費だけで1兆円を超えるとみられている。
空自の将来構想では、次期戦闘機とF35、F15の改修機の3機種が主力となる。ステルス性能を備えた「第5世代機」や、F15などの「第4世代機」を含めた戦闘機数を現時点で比較すると、日本は計313機で、計1146機の中国に大きく水をあけられている。防衛省幹部は「中国に数量で張り合うのは難しい。質の向上で対抗するしかない」と語る。
からの記事と詳細 ( 次期戦闘機エンジン、IHIとロールス・ロイスが共同開発へ…日英高官が詰めの協議 - 読売新聞 )
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