Monday, May 2, 2022

(いまのところ)日本導入予定なし、のマツダ直6SKYACTIVガソリンエンジンを予想する - MotorFan[モーターファン]

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マツダがラージ・アーキテクチャーに搭載するために開発した直列6気筒エンジンは、ガソリンとディーゼルがある。日本仕様に導入されるのは3.3ℓ直6ディーゼルターボである。欧・米試乗に投入されるガソリン直6エンジンはどんなエンジンになるのか?

日本仕様に直6ガソリンエンジンはなし!?

エンジンをフロントに縦置きするのがラージアーキテクチャーの特徴。そこの載るのが直6だ。

CX-60のパワートレーン(グローバルで)は以下の通りだ(一部予想)。

・2.5ℓ直4ガソリン(SKYACTIV-G2.5
・3.3ℓ直6ディーゼルターボ(SKYACTIV-D3.3
・3.3ℓ直6ディーゼルターボ(SKYACTIV-D3.3)+48V M Hybrid=e-SKYACTIV D3.3
・3.0ℓ直6ガソリン(SKYACTIV-X3.0)+48V M Hybrid=e-SKYACTIV G3.0
・3.0ℓ直6ガソリンターボ(SKYACTIV-G3.0T
・2.5ℓ直4ガソリン(SKYACTIV-G2.5)+PHEV=e-SKYACTIV PHEV

このうち、直6ガソリンの日本導入予定はない(いまのところ)。
欧州:3.0ℓ直6ガソリン(SKYACTIV-X3.0)+48V M Hybrid
北米:3.0ℓ直6ガソリンターボ(SKYACTIV-G3.0T)
というふたつの直6ガソリンエンジンが存在するはずだ。

CX-60に搭載される3.3ℓ直6ディーゼルターボ、SKYACTIV-D3.3

直6SKYACTIV-Xとは、どんなエンジンか?

CX-60のプレス資料(欧州向け)にはこう書いてある。

・新世代の直6エンジン、3.0ℓe-SKYACTIV Xガソリンエンジン、3.3ℓSKYACTIV-Dディーゼルエンジンも導入し、2種類の出力を持つ。
・直6エンジンには、48Vマイルドハイブリッドシステム「Mハイブリッドブースト」を搭載
・マツダ CX-60 MHEV」は、摩擦エネルギー回生ブレーキ協調制御方式を採用
・新型8速ATとi-Activ All-Wheel Driveを搭載。
・「e-SKYACTIV D」および「e-SKYACTIV Xガソリン」は後輪駆動のみの設定もある。

さらに、こうも書いてある。

6気筒エンジンは、排気量を最適化することで燃費と出力効率を向上させる「ライトサイジング」コンセプトに基づいて開発された。8速ATと48Vマイルドハイブリッドシステム「M Hybrid Boost」を組み合わせ、動力性能と走りの楽しさを飛躍的に向上させると同時に、環境性能も高めている。
3.0ℓ直列6気筒e-SKYACTIV
Xは、直列6気筒エンジンが得意とする振動バランスの良さを活かし、4気筒e-SKYACTIV Xで培った精密燃焼制御技術を強化し、ライトサイジングに対応するユニットとして開発された。
大容量化により、ターボチャージャーを使わずに、より多くの空気をエンジンに送り込むことができるようになった。そのため、シンプルなベース構造に、ダブルオーバーヘッドカムシャフトと、カムシャフトの位相を確実かつ瞬時に変化させる可変バルブタイミングを加えたユニットを実現した。その結果、内部EGR制御により、低空燃比での燃焼を実現した。
スムーズな加速と魅力的なサウンドを実現。また、希薄燃焼技術の向上により、4気筒のe-SKYACTIV Xエンジンと同等の燃費を実現している。

マツダは排気量・気筒数を増やすことでエンジンの高効率化ができると主張する。
モーターを組み合わせることでさらに燃費性能を上げる。

ここからわかるのは、2.0ℓ直4SKYACTIV-Xの6気筒版だということ。つまり
ボア×ストローク:83.5mm×91.2mm
排気量:2996cc
ターボなし
スーパーチャージャーによる高応答エアサプライ
吸排気に可変バルブタイミング機構

ということで、直4SKYACTIV-Xの6気筒版と考えればよさそうだ。

となると、パワースペックはどうなるか?
SKYACTIV-X(2.0ℓ直4版)
ボア×ストローク:83.5mm×91.2mm
排気量:1997cc
圧縮比:15.0
最高出力:190ps(140kW)/6000rpm
最大トルク:240Nm
BMEP:15.10bar

だ。これを3.0ℓ6気筒に拡大すると

SKYACTIV-X(3.0ℓ直6版)
ボア×ストローク:83.5mm×91.2mm
排気量:2996cc
圧縮比:15.0
最高出力:285ps(210kW)
最大トルク:360Nm
BMEP:15.10bar

となる。これに48V M Hybridを組み合わせる。駆動モーターの出力は17ps(12.4kW)/153Nmだ。すでに発表されているSKYACTIV-D3.3(直6ディーゼル)と同じく、エンジンが苦手な領域はモーターに任せて、高効率の領域で運転する。排気量を増やした(これをマツダはRight Sizingを呼んでいる)分を燃費とエミッションに回すことで、2.0ℓ直4SKYACTIV-X(24V M Hybridと組み合わせる)と同等の燃費性能を実現したという。

では、ライバルの直6ガソリンはどんなスペックか?

CX-60のライバルたちが搭載する直6ガソリンエンジンは、すべてターボ過給エンジンだ。したがって、SKYACTIV-X3.0よりも高出力だ。

BMW B58型3.0ℓ直6ターボのもっとも出力が低い仕様で340ps(250kW)/450Nmだ。
メルセデス・ベンツ M256型直6ターボが435ps(320kW)/520Nm
ジャガー Ingenium6が402ps(296kW)/550Nm
となっている。

メルセデスぼの3.0ℓ直6ガソリンターボのM256型
マツダと並んで最新直6エンジンとなるステランティスのHurricaneツインターボ

SKYACTIV-X3.0の285ps(210kW)/360Nm

はかなり控え目なスペックになるが、48V M Hybridとの組み合わせで、フィール、燃費、エミッション、そして価格で充分に勝ち目があるとマツダは踏んでいるのだろう。

北米仕様のSKYACTIV直6ターボはどうなる?

BMWの3.0ℓ直6ガソリンターボエンジンのB58型

SKYACTIV-X3.0+48V M Hybridは欧州向け。北米向けにはSKYACTIV-G3.0T、つまりターボ過給エンジンが用意される。こちらも直6エンジンを搭載するライバルは、メルセデス・ベンツ、BMW、ジャガー・ランドローバー、そしてステランティスとなる。すべて排気量は3.0ℓだ。

SKYACTIV-G3.0Tはどんなエンジンになるのか?

エンジンの排気量によさずトルク特性を横並びで評価するための指標であるBMEP(Brake Mean Effective Pressure)で見ていくとこうなる。
BMW B58型:20.96bar(500Nm仕様)
メルセデス・ベンツM256:21.79bar(520Nm)
ジャガー・ランドローバー:23.07bar(550Nm)
ステランティス Hurricane Twin Turbo:25.60bar(610Nm)
だ。
比較的穏やかな仕様でもBMEPは21bar前後。となると、SKYACTIV-G3.0Tのスペックも500Nm(BMEP 20.97bar)ほどになるだろう。

これまでのマツダのSKYACTIV-Gでもっともパワフルな2.5ℓ直4ターボ(SKYACTIV-G2.5T)のスペックは
SKYACTIV-G2.5T
ボア×ストローク:89.0mm×100.0mm
排気量:2488cc
圧縮比:10.5
最高出力:230ps(169kW)/4250rpm
最大トルク:420Nm/2000rpm
BMEP:21.21bar

となれば、SKYACTIV-G3.0Tの予想スペックは
SKYACTIV-G3.0T
ボア×ストローク:83.5mm×91.2mm
排気量:2996cc
圧縮比:11.0
最高出力:312ps(250kW)
最大トルク:500Nm
BMEP:20.97bar

になる。これでCX-50(SKYACTIV-G2.5T+6AT)と同等の燃費性能、それ以上のエミッション性能を持つ……というのが、ライトサイジング直6ターボの狙いなのではないか?

CX-60では、日本導入予定なし、となっている直6ガソリンSKYACTIVエンジン。ディーゼルのSKYACTIV-D3.3+M Hybridと同等レベルで国内にもSKYACTIV-X3.0直6が導入されることを期待したい。

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