トヨタの水素カローラに続け!
カワサキの特許が2021年9月2日に公開された。その内容は「4ストロークエンジン及びクランクケースの内部における着火防止方法」というものだが、これは内燃機関で“水素ガスを含む燃料”を使用することを想定したもの、。トヨタが水素カローラで魅せたイノベーションに続く、エンジン界の一大転機となるか!? 【画像ギャラリー】カワサキの特許図版ほか
クランクケースを換気する……って?!
カワサキによる「4ストロークエンジン及びクランクケースの内部における着火防止方法」という特許が2021年9月2日付で公開された。このエンジンは、水素ガスを含む燃料もしくは含まない燃料(ガソリンのことだろう)で運転可能な4ストロークエンジンであり、水素ガスを用いた場合に問題となるブローバイガスをいかにして換気するか、という技術が当該特許の骨子である。 燃料が水素ガス/ガソリン/その他であることを問わず、4ストロークエンジンではピストンとシリンダーの隙間を抜けて燃焼室の気体がクランクケース内に漏れ出る場合がある。これを“ブローバイガス”と呼ぶのだが、ガソリンよりもさらに着火しやすい水素ガスの場合、ブローバイガスがクランクケース内で一定以上の濃度になると着火してしまう可能性がある。 ガソリンエンジンでもブローバイガスには未燃焼ガスが含まれてはいるが、この場合はクランクケース内で着火可能なほどに未燃焼ガスの濃度が上昇することはなく、これの対策も必要ない。 ところが、水素ガスを含む燃料の場合は話が変わってくる。水素ガスは天然ガスやガソリンなおの他の燃料に比べて可燃範囲が非常に広く、理論空燃比の10倍に希釈されても着火してしまうのだという。これを防止するためにはクランクケース内の水素ガスの濃度を一定以下に保つ必要があり、このたびの特許のような対策を講じることになったわけだ。
――公開特許図版がコチラ。
まずセンサーによって燃料に水素ガスが含まれるか否かを判定し、含まれていればエンジン始動前に換気ファンを回してクランクケース内を換気。エンジン始動後は、ケース内の水素ガス濃度を可燃範囲の下限よりも下に保つため、濃度が閾値を超えたら換気ファンを駆動し、閾値を下回っていればファンを停止する。 また、換気にともないクランクケース内には外気を導入するわけだが、導入通路にはフィルターを配置するほか、冷却された排気ガスも混合して導入するというのが面白いところ。まあ、考えてみれば水素を燃焼させても生成されるのはH2O、つまり水だけなのだから、これを循環させても全く問題はないのだろう。未燃焼ガソリンが含まれる排気ガスをクランクケース内に……と考えるとゾッとするが、燃料が変われば常識も変わるということか。 同じく、排気ガスの一部は冷却されたのちに混合器のもとになる外気とも混合され、再び燃焼室にも導入されるという。 このエンジンは、水素ガスを含む燃料だけでなくガソリン等でも運転可能。これが実現すれば、たとえばカワサキZ900RSなどに水素燃料版とガソリン版をラインナップし、エンジンを共有しながら燃料貯蔵&供給方法を変更するだけで成立する……という、言ってみれば“新たなプラットフォーム戦略”なんていうのも実現可能なのかもしれない。 いつかこの特許技術が我々の前に製品として現れるのか、それはどんな乗り味とサウンドなのか……。お待ちしてますよ、カワサキさん!
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