国内では「アクセラ」の名前で販売されてきたが、今年5月発売の新型モデルから海外で使われてきた車名「マツダ3」に統一された。そして、この12月、世界で初めて実用化した新エンジンを搭載したモデルが追加された。
そのエンジンは、「SKYACTIV‐X(スカイアクティブ エックス)」と言い、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの技術を組み合わせ、燃費および動力性能を向上させている。二つのエンジンの違いを説明すると、ディーゼルエンジンは、点火プラグを用いずに、ピストンで圧縮されて高温になった空気に燃料を吹き付けて一気に燃焼させ、強い力を生み出す。一方のガソリンエンジンは、点火プラグを使ってガソリンと空気の混合気を燃焼させるのだが、点火による火花を起点に徐々に燃焼させるため、力強さではディーゼルエンジンに劣るものの、音が静かであり、加速性能などは上回る。この両者の長所を組み合わせ、ガソリンエンジンでも高い圧縮比による力強い燃焼を可能にしたのが、マツダの新エンジンだ。理論的にはわかっていたことだが、ガソリンエンジンでは空気圧縮時に異常燃焼(ノッキング)などが起きやすいなどの難点があり、長い間実現できていなかった。
マツダは、あらかじめガソリンと空気が混じった「混合気」を使い、圧縮後に点火プラグを使って燃焼させるという工夫を施して、夢のエンジンを実現したのだ。マツダでは、この方式を「火花点火制御圧縮着火(SPCCI)」と名付けている。
これにより、燃費性能は同じ排気量(1997cc)のガソリンエンジン比較で、ノーマルがWLTCモード(国際基準の測定法による新表示)1リットルあたり15.6キロであるのに対し、「SKYACTIV‐X」では同17.2キロとなった(ただし、後者はプレミアムガソリンを使用)。
今回、6速マニュアルシフトと6速オートマチックの両方で、新エンジンのクルマを試した。どちらの変速機でも、発進力は十分で、それはあたかもディーゼルターボエンジンのようであった。同時にまた、エンジン回転を上げていったときには、ガソリンエンジンの伸びやかな上昇とともに、音色を調整したという排気音が快く響いた。
ことにマニュアルシフトでは、加速中のシフトアップでショックがなく、滑らかに速度を上げていくのが印象的だ。これは、新エンジンがいわゆるマイルドハイブリッドとして、モーター機能付き発電機(ISG)を装備し、これの回生を利用してシフトアップ操作の時にエンジン回転を素早く下げる制御を行い、クラッチをつなげたときのショックをほぼなくしているためだ。一方で、走行はあくまでエンジンのみで行い、モーターによるEV(電気自動車)走行はない。
車両全体は、マツダが積み上げてきた操縦安定性と快適さの技術が存分に
一方で気になったのは、後方視界の悪さだ。4ドアハッチバックと4ドアセダンの2車種があるが、特に、ハッチバックのルームミラーの中央に映るリアウィンドーは小さく、ミラーの周縁部は暗くなっている。通常、後ろの窓明かりが差し込み、ルームミラー周縁部には室内も一部見えるようになっている。横を通るクルマがあると、その影で室内部分が暗くなるため、追い越される気配を感じることができる。ところが、「マツダ3」のハッチバック車は、側面後方がせりあがっていて、リアウィンドー以外の部分は暗く、まるでトンネルの中にいるように感じられる。このため、横を通るクルマの気配が消されてしまうのである。
運転者は、ルームミラーやドアミラーの視界だけでなく、明るさの変化によっても外部の気配を感じているはずだ。美しい外観の造形や、操縦安定性向上のための車体剛性を向上させようとするあまり、「マツダ3」のハッチバック車はそうした人間の五感を使った安全確認と、それによって得られる安心を損なわせている。
エンジンや操縦安定性などの機能は高まったが、そうした優れた商品性を味わおうにも、目からの情報が制約を受けることで不安が募っては、せっかくのドライブも楽しめない。「次へ」という進化をあまりに意識しすぎ、何かを見落としているような気がする。
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December 17, 2019 at 03:20AM
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ガソリン、ディーゼル、2つのエンジン長所を併せ持つ 「マツダ3」(Vol.583) - 読売新聞
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