Sunday, December 8, 2019

ホンダエンジンの好調もあって再び活気 F1人気は復活するか:イザ! - iza(イザ!)

 モータースポーツの聖地、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で10月、31回目となるF1日本グランプリ(GP)が開かれた。日本人選手が活躍した黄金期に比べ近年は観客数も減少傾向にあったが、今年のF1世界選手権シリーズはホンダエンジンの好調もあって再び活気づいていた。

 高音の排気音がコースにとどろく中、イギリスの名門チーム、ウィリアムズの1台が最終コーナーを回りきれず外側フェンスに衝突。マシンは破片をまき散らしながら滑り続け、スタート、ゴール地点前のグランドスタンド正面で止まった。

 10月13日午前10時すぎ、F1GP予選スタート直後のアクシデントだ。前日に台風19号が日本列島を直撃し、大きな被害をもたらした直後。風が強く、あおられるマシンも多かった。

 飛び出したのはオレンジのつなぎを身につけた「コースマーシャル」と呼ばれる事故処理などコース管理を担うスタッフ。竹ぼうきを手にして、道路に残る破片や油を豪快にはき出していった。

 鈴鹿では長い間、コース整備に日本の掃除用具、竹ぼうきを使ってきた。日本GPでも初開催された昭和62年から活躍。マシンのハイテク化が進んでも、一見古風な竹ぼうきによる事故処理は変わらない光景だ。

 マシンの撤去、コース清掃にかかったのはわずか10分ほど。グランドスタンドからは自然と大きな拍手がわき上がった。「観客のみなさんと運営する側との一体感を感じられるのも鈴鹿ならでは」と鈴鹿サーキットの運営会社「モビリティランド」でレーシング部門を担当する荒木正和専務は話す。

 地上波のTV中継もなくなり、新聞報道も激減したF1レース。観客は鈴鹿に来なければ味わえない体験に没入する。自然とサーキットに一体感が生まれていく。

特別席も用意

 日本GPの観客動員数は人気ドライバーのアイルトン・セナや日本人ドライバーの参戦、ホンダやトヨタの存在感などに支えられ、平成18年にピークを迎えるまで人気を保った。しかし近年は日の丸が表彰台に翻ることもなく、往時に比べ人気に陰りが見えていた。

 変革を起こさなければ、人気回復はかなわない。鈴鹿では30回目を迎えた昨年から、若い世代にも興味を持ってもらおうと23歳以下の3日間の観戦チケットをこれまでの約6分の1となる1万円まで値下げするなど、てこ入れ策を進めている。今年の決勝には昨年比8千人増の約8万9千人が詰めかけた。

 久しぶりにホンダエンジンのマシンが気を吐いているのも人気回復を後押しする。レッドブル・ホンダは開幕戦で3位となり、ホンダエンジンとして11年ぶりのF1表彰台に上ったのを皮切りに、第9戦、第11戦と1位に輝いている。

 日本勢への期待の高まりが観客動員数にも直結することから、鈴鹿は今年、1万2千席の「ホンダ応援席」を特設した。決勝では席を埋めたファンがホンダのロゴ入りキャップをかぶり、フラッグを振ってスタンドを揺らした。

 結果はレッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボン(タイ)が4位に入った。トロロッソ・ホンダ勢はピエール・ガスリー(フランス)が7位、ダニール・クビアト(ロシア)は10位となった。

 鈴鹿サーキットは、観客の歓声や拍手がドライバーやチームスタッフが控えるピットロード側にもよく届く構造と聞く。「F1ドライバーたちがよく口にするのは、海外のファンはひいきのドライバーしか眼中にないことが多いのに対して、日本のファンはすべてのドライバーに敬意を持って接してくれていることへの驚きです」とモビリティランドの荒木専務。この日も観客席の興奮がピットに伝わったはずだ。

興奮に感染する場所

 F1日本グランプリ(GP)の取材で訪れた鈴鹿サーキットは「静か」だった。防音が施されたメディアセンターで取材していると、世界中から集まったモータースポーツジャーナリストたちも、淡々とレース経過を追っていた。

 もちろん、観客席をはじめサーキット中に、腹の底に響く排気音がとどろき渡っている。静かと感じたのは、久しぶりのレース観戦である上に「仕事で来ている」意識が優先され、到着してすぐには、ファンの熱気に同調することができなかったためかもしれない。

 趣味でもあるモータースポーツの、それも最上級の現場に来ていると思えないほど、冷静な気持ちで始めたF1取材だったが、予選、決勝とスケジュールが進むにつれて、サーキットに満ちる興奮が移ってきた。加速、減速を繰り返し、最高速は時速300キロをオーバーするマシン。ひいきのドライバーやチームの順位に一喜一憂しながら持参した旗を振り回し、声援を送るスタンドを埋めた観客たち。

 いつの間にか熱気に感染し、仕事中ではありながら、ホンダエンジンのマシンを応援していた。取材が決まった時点では名前を知らないドライバーも多かった。そんな“元F1ファン”も興奮させる「何か」が、やはり鈴鹿サーキットにはあった。

 ファンの拡大に欠かせないのが日本勢の活躍だ。理想はコンストラクター(レース車両製作者)、エンジン、ドライバーがそろったオール日本チームだが、どれか一つだけでも十分だ。

 往時のように、圧倒的なパワーでF1界を席巻するのも気持ちいいが、メルセデスやフェラーリといった強大なライバルたちをじわりと追い詰めていく快感を、新しく生まれるファンたちと共有したい。(服部幸一)

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December 08, 2019 at 11:14AM
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