日本ではまだ少し先の話になるが、米国を含む海外の一部地域で2020年2月末に提供が開始されるMicrosoftのある拡張機能について、あちこちから批判の声が挙がっている。同タイミングでOffice 365 ProPlusユーザーに提供される最新アップデートを適用すると、WindowsにインストールされているGoogleのChromeブラウザのデフォルト検索エンジンがBingになるというもので、この直接的な影響を受けることになるIT管理者にとっては頭の痛い問題かもしれない。
「Microsoft Search in Bing」とは?
MicrosoftのOffice 365 Blogで1月22日(米国時間)に「Introducing ? and Managing ? Microsoft Search in Bing through Office 365 ProPlus」のタイトルで公開された投稿によれば、2月末のタイミングでOffice 365 ProPlusを契約するユーザーに対して、「Microsoft Search in Bing」という機能拡張が提供され始めるという。
現在のMicrosoftの戦略では、Bingを通じてSharePoint、Microsoft OneDrive for Business、Exchange、さらにはMicrosoft Graphを通じて得られる各種情報を横断検索する「Microsoft Search」の機能が提供される仕組みになっている。
Microsoft Search in Bingは、Office 365 ProPlus version 2002の一部としてWord、Excel、PowerPoint、OutlookといったOfficeアプリケーションとともに導入が行われる。だが問題なのは、この拡張機能がデスクトップブラウザのシェアで7割を占めるChromeのデフォルトの検索エンジンをBingに変更してしまうという点にある。
Microsoft Search in Bingの現状のステータスはMicrosoft 365 Roadmapで確認できる他、IT管理者向けに「Microsoft Search in Bing and Office 365 ProPlus」のタイトルで文書が公開されている。
主なポイントは下記のようになる。
- Microsoft Search in BingがインストールされるのはProPlusの当該バージョン(2002)の新規インストール、または既存のProPlusを最新バージョン(2002)にアップデートしたとき
- インストール後のBingの利用有無は、いつでもトグルスイッチで変更が可能(下記の画面参照)。この他、コントロールパネルや特定のコマンドで削除もできる
- 現状、Microsoft Search in Bingで影響を受けるのはChromeのみ。Firefoxは後日サポートの予定(※Vivaldiなどについては特に触れられていない)
- アップデートの対象となるのは「Office 365 ProPlusのみ」で、Office 365 BusinessやBusiness Premiumなどのサブスクリプションは含まれない
- 当初提供が行われるのは、デバイスのIPアドレスから判別してオーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、インド、英国、米国の7カ国のみ。それ以外の地域についても順次対応していくが、事前にMicrosoft 365 Admin CenterのMessage Centerで通知が行われる。なお、地域チェックは毎月行われ、これらの地域以外のデバイスが当該地域へと移動が確認された場合、次回のOffice 365 ProPlusアップデートでMicrosoft Search in Bingの機能拡張はインストールされる
また、このアップデートによって設定が変更されることを避けたいIT管理者のために、その回避方法も提示されている。詳細は関連資料の「How to exclude the extension for Microsoft Search in Bing from being installed」の項目にまとめられているが、Office Deployment Toolで「configuration.xml」を指示通りに書き換えるか、グループポリシーの設定でインストールを止めることが可能だ。
デプロイにIntuneを使っている場合は、こちらの設定でも対応できる。この文書では「Microsoft Search in Bingの利用に向けて組織がやっておくべきこと」という項目も用意されており、組織間で利用するためのポイントがいくつか紹介されている。
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コミュニティーへの延焼――Microsoftの対応に集まる批判の声
さて、ここまで聞いて簡単に想像できるかと思うが、当然のごとくMicrosoftの対応に批判の声が挙がっている。どんなMicrosoftの意図があるとしても、昨今のPC作業の要となる検索エンジンのデフォルト設定を変更するアップデートの強要は悪手だ。
「事前準備があればIT管理者が防げる」「Microsoft Search in Bingのインストール後もデフォルトの検索エンジンはユーザーの手でいつでも変更できる」という逃げ道を残しているとしても、操作体系の変更は企業の従業員教育を考えてもマイナスでしかない。それを示すかのごとく、「Microsoft Search in Bing」を紹介する公式Blogの記事のコメント欄にはものすごい数の意見(主に批判)が並んでいることが確認できる。
ニュースサイトでも、Computerworldの「Opposition grows to Microsoft's make-Chrome-use-Bing plan for Office 365 customers」という記事や、ZDNetの「Microsoft to forcibly install Bing search extension in Chrome for Office 365 ProPlus users」という記事では代表的な批判コメントの数々が紹介されており、IT管理者とユーザーの双方のやるかたないムードが漂っている。
ZDNetが紹介しているように、この話題はRedditで火が付き、GitHubなど開発者コミュニティーに拡大する形で延焼している。Microsoftはたまに自覚なくこうしたえげつない変更をいともたやすく行ってしまうが、個人的には操作体系を変えるタイプの変更にはもう少し慎重になってほしいと考える。
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February 06, 2020 at 09:00AM
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