その一方で、数を大きく減らしてしまったのが、モーターのアシストも無い純粋な大排気量・自然吸気(以下NA)ガソリンエンジンです。 その多くはダウンサイジングターボか、ハイブリッド化したパワーユニットに移行しており、現行モデルでは大排気量NAエンジンもはや希少種といっていいでしょう。 しかし、現状では数少ないものの、ピュアな大排気量NAエンジン車が存在。そこで、優れた性能の自然吸気エンジンを搭載したクルマを、現行モデルのなかから3車種ピックアップして紹介します。
●ポルシェ「911 GT3 with ツーリングパッケージ」
長い歴史を誇るスポーツカーであるポルシェ「911」は、1975年に「930ターボ」が登場して以来、NAエンジンの911(カレラ)シリーズと、ターボエンジンの911ターボと、ラインナップはハッキリと分かれました。 しかし、現行モデルの先代にあたる「991型」の途中から、911カレラも3.4リッターもしくは3.8リッターNAエンジンから、3リッターのツインターボエンジンに換装され、現在は911シリーズといえばターボエンジンがスタンダードです。 一方で、頑なにNAエンジンにこだわっているモデルも存在。それはサーキット走行もターゲットとして開発された特別な高性能グレードである「911 GT3」です。 初代911 GT3は、初めて水冷化されたモデルである「996型」において、1999年に限定モデルとして追加ラインナップされ、次世代の「997型」からカタログモデルとなり、現在に至ります。 最新モデルとしては2021年6月に発表された「911 GT3 with ツーリングパッケージ」で、911 GT3に対して大型リアウイングが撤去され、電動格納式のリアスポイラーを装備。 また内装もGT3に準じていますがシックな印象のコーディネートで、雰囲気は大きく異なります。 その他のメカニズムはGT3と変わらず、ハイライトであるエンジンは4リッター水平対向6気筒NAエンジンを搭載。最高出力510馬力を8400rpmという高回転で発揮し、レブリミットは9000rpmに設定されています。 トランスミッションはオートブリッピング機能がある6速MTと、DCTである7速PDKが選択可能です。 前述のとおりGT3はサーキット走行を視野に入れた特別なモデルですが、ツーリングパッケージはストリートでの走りを重視したユーザーに向けたモデルといえます。 価格(消費税込、以下同様)は1プライスのみで2296万円、スタンダードなGT3も同価格です。
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