機械の開発・製造を手掛ける玉川エンジニアリング(会津若松市)と会津大は水田除草用ロボットを共同開発した。アイガモのひなを水田に放すことで除草に農薬を使わない「アイガモ農法」に着目。ロボットがひなに代わって動き回り、雑草の成長を妨げる仕組みだ。27日までに特許を取得した。価格面など実用化に向けた課題は残るが、関係者は手応えを感じている。
開発の中心となったのはロボット工学を専門とする会津大の成瀬継太郎教授(52)。「農作物を輸出するのに、農薬の使用量を厳しく規制される可能性がある。稲作の国際競争力向上に貢献したい」と思いを語った。
アイガモ農法では、ひなが水田をあちこち動き回ることで雑草の種を浮かび上がらせたり、水を濁らせて光合成を妨げたりすることで雑草の成長を抑える。成鳥は稲を食べてしまうためひなしか使えず、さらにイタチやカラスなど外敵からひなを守る網を張るなどの対策が必要だ。毎年20~30羽のひなを購入するのも農家の負担となっている。
Wi―Fi(ワイファイ)に接続したタブレット端末やパソコンから水田の四隅と走行コースを設定すればロボットは衛星利用測位システム(GPS)機能で自動走行する。稲を傷めずに軟らかい水田を走れるようにタイヤに「とげ」を取り付けた。水田の状態に合うようにとげの長さや本数は調整が可能という。
成瀬教授らが農家の実情を知り、開発を始めたのが2011(平成23)年。ロボットの重さは5キロ、本体の幅とタイヤの直径はいずれも約30センチ。
実証実験では除草の効果を確かめており、田植え1~6週目に1日か2日に1回ほど、ロボットを走らせれば雑草は生えず、稲の収穫量や品質に影響はないという。大型のバッテリーを搭載していないため毎日の充電が必要になるが、成瀬教授は「バッテリーの小型軽量化など、技術の進歩が実用化を後押ししてくれるのでは」と話している。
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September 28, 2020 at 07:22AM
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