Thursday, July 8, 2021

第5回:ついにEV専用プラットフォームに踏み出すマツダへの期待と不安(前編) 【カーテク未来招来】 - webCG

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「SKYACTIVマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」のひとつ、ロータリーエンジンのレンジエクステンダーを搭載したEVのパワートレインとプラットフォーム。
「SKYACTIVマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」のひとつ、ロータリーエンジンのレンジエクステンダーを搭載したEVのパワートレインとプラットフォーム。拡大

2021年6月17日、マツダが2030年に向けた新たな技術・商品方針を発表した。最大の目玉は、2025年以降に独自の電気自動車(EV)専用プラットフォーム「SKYACTIV EV専用スケーラブルアーキテクチャー」を導入すると発表したことだが、同時に公開されたエンジン縦置きプラットフォームにも見るべき点は多い。今回と次回の2回で、マツダの発表の意味を考えてみたい。

「SKYACTIV TECHNOLOGY Phase 1」では、2012年から2018年までの6年間で9モデルを発売。ラインナップを全面刷新した。(資料:マツダ)
「SKYACTIV TECHNOLOGY Phase 1」では、2012年から2018年までの6年間で9モデルを発売。ラインナップを全面刷新した。(資料:マツダ)拡大
「SKYACTIV TECHNOLOGY Phase 2」では、アーキテクチャーがスモール商品群用の“エンジン横置き”のものと、ラージ商品群用の“エンジン縦置き”のものとの2本立てとなる。(資料:マツダ)
「SKYACTIV TECHNOLOGY Phase 2」では、アーキテクチャーがスモール商品群用の“エンジン横置き”のものと、ラージ商品群用の“エンジン縦置き”のものとの2本立てとなる。(資料:マツダ)拡大
Cセグメントモデル「マツダ3」には、SPCCIエンジンに24Vのマイルドハイブリッド機構を組み合わせた電動化モデルもラインナップされている。
Cセグメントモデル「マツダ3」には、SPCCIエンジンに24Vのマイルドハイブリッド機構を組み合わせた電動化モデルもラインナップされている。拡大
EVとマイルドハイブリッド車がラインナップされた「MX-30」。2022年には、EVにレンジエクステンダー搭載車が追加される予定だ。
EVとマイルドハイブリッド車がラインナップされた「MX-30」。2022年には、EVにレンジエクステンダー搭載車が追加される予定だ。拡大

「SKYACTIV Phase 2」は電動化も考慮

マツダは2007年以降、エンジンや変速機、車体、シャシーといったクルマを構成するすべての技術を刷新する新世代技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」の開発に取り組み、2012年に発売した初代「CX-5」を皮切りに、2012年から2018年までの6年間で9モデルを発売。商品ラインナップを一新した。この「Phase 1」と呼ばれる段階のSKYACTIVでは、内燃機関に最適化された「SKYACTIV内燃機関専用スケーラブルアーキテクチャー」が使用されていた。

そして、2019年に現行型「マツダ3」を発売して以降、SKYACTIVは「Phase 2」に移行。Phase 1の内燃機関専用アーキテクチャーから「SKYACTIVマルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」へと進化を遂げる。このPhase 2では、SKYACTIVをスモール商品群用の“エンジン横置きアーキテクチャー”と、ラージ商品群用の“エンジン縦置きアーキテクチャー”の2本立てで展開するという。

一方パワートレインでは、やはりマツダ3でSPCCI(火花点火制御圧縮着火)エンジン「SKYACTIV-X」を世界で初めて実用化したほか、今後はラージ商品群向けの直列6気筒エンジン(ガソリン/ディーゼル)の商品化も控えている。さらにPhase 2では、電動化技術の採用を拡大しているのも特徴で、ガソリンエンジンに24Vのマイルドハイブリッドシステムを組み合わせたパワートレインを実用化しているほか、2021年1月にはエンジン横置きアーキテクチャーを採用したマツダ初の量産EV「MX-30 EVモデル」を発売した。さらに2022年には、ロータリーエンジンのレンジエクステンダー(RE:航続距離を伸ばすための発電専用エンジン)とバッテリー、モーターを組み合わせた「REマルチ電動化技術」を搭載したMX-30を発売することも表明済みだ。

つまり、マツダがPhase 2以降のSKYACTIVを「マルチソリューションスケーラブルアーキテクチャー」と呼んでいるのは、エンジン車にも電動車両にも展開できるよう、当初より配慮されていたからにほかならない。

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