劇作家・演出家の野田秀樹氏率いる「NODA・MAP」の戯曲で、国内外で高い評価を得ている「THE BEE」が今秋、9年ぶりに日本で再演され、阿部サダヲ(51)、長澤まさみ(34)らがキャストに名を連ねていることが5日、明らかになった。
2006年に英ロンドンで初演された同作は、01年の米同時多発テロに衝撃を受けた野田氏が書き下ろした約75分の4人芝居。脱獄囚に妻子を人質に取られた男・井戸に降りかかる運命を描く作品で、野田氏いわく「10秒に一度何かが起こる」スリリングな展開と、独創的なアイデアで数々の演劇賞を受賞。世界10か国14都市で上演され、海外演劇界からも絶賛されてきた。日本公演は12年のジャパンツアー以来で、キャストを一新して9年ぶりに上演される。
野田氏は今回、「NODA・MAP」の作品で初めて演出に専念する。同作の持つ力について「これほど幾度も幾度もロンドン―東京を行ったり来たりしながら創った作品はない。そして、これほど観客の想像力って凄いんだ、ゴメンナサイ、みくびってました。と思わされた作品もない」と言及。「やっぱり芝居は劇場で!生で!でなけりゃ伝わらない。これは典型的に、そんな芝居です」と劇場で公演を打つことについての思いを語る。
これまで野田氏自身が演じてきた井戸役の“後継者”としてバトンを受け継ぐ阿部は、12年の上演時に松本の劇場で同作を感激し衝撃を受けたという。「作品を観(み)て、凄(すご)くカッコ良くて、『この役いつかやりたい!』と思いながら劇場を出たことを覚えています。まさかこんなに早く実現するとは…」と相思相愛のキャスティング。「初演時の野田さんと今の自分の年齢が同じで、不思議な巡り合わせを感じています」と感慨深げだ。
脱獄囚の妻でストリップダンサーの女などを演じる長澤は、念願かなってのNODA・MAP初挑戦。阿部とは映画や舞台での共演経験があり、お互いに信頼を寄せている間柄だ。「この日が来るのをずっと楽しみにしていました。ワークショップの時に、野田さんは一緒に考えてくれる『一員』でもあることが印象的でした。長く大切にされているこの戯曲を今の私自身の力を振り絞って演じたいと思っています」と力を込めた。
警部の百百山(どどやま)役はこれまで野田作品のアンサンブルで存在感を示してきた河内大和が抜てきされ、脱獄囚・小古呂(おごろ)役には今年上演された「フェイクスピア」に引き続き、川平慈英が起用された。河内は「今回の抜擢は夢のようで、ちゃんと見て下さっていたんだ、やって来てよかったと思えた瞬間でした」。川平も「もがいてもがいて楽しいものを作ろうと思います。この4人で尋常じゃない、スパークする、『これが演劇だ!』というものをお届けいたします」と語った。
東京公演は11月1日~12月12日、東京・池袋の東京芸術劇場シアターイースト、大阪公演は12月16~26日、大阪市のナレッジシアターで。
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