
アルピーヌA110との共通点
現在所有するアルピーヌA110はロータス・エリーゼとよく似ている。このクラスのミドシップ・カーはリア・サスペンションがストラットであることが多い中で、両車とも4輪ダブル・ウィッシュボーンとして豊かなストロークで路面を捉えていくタイプ。だからいかにもライトウェイト・スポーツらしいヒラヒラと舞うようなハンドリングが楽しめて、路面変化への対応力も高い。A110開発時、一番最初のテスト・カーはエリーゼを元に改造したものだったことは、いかに構成やコンセプトが似ているかの証でもある。 ただし、基本の設計年次が20年以上違うから、実力ではA110が上回る。エリーゼはフェイズIIになる際にリア・サスペンションを大改造しているものの、それでも容量には限りがあるゆえ微妙にアンダーステア気味なところがあり、A110のほうが気持ち良く曲がってくれる。そういう認識でいたのだが、最終のエリーゼ・スポーツ220IIをA110と乗り比べて驚いた。もともと優れていたハンドリングが、さらにバランスが良くなったようにさえ感じられ、ノンパワーのアシストのステアリングも手伝って、ダイレクト感やナチュラルなフィーリングではA110をも寄せ付けない。 「乗り降り大変、荷物乗らない……文句を言ったらキリがないが、ハンドリング、サウンド、気持ち良さを並べてもキリがない。公道で楽しむピュア・スポーツとして傑作中の傑作」と大井さんはいうが、まさにそう。デイリーユースはA110の圧勝だが、“ピュア”なスポーツカーという意味ではエリーゼに軍配があがる。登場時は120馬力しかなかったがパワーが2倍近くなっても破綻をきたすことがないどころか、むしろちょうどいいぐらいに感じるのも、基本設計が優れているからだろう。 「アルファ4CやアルピーヌA110などライトウェイト・スポーツが出てきたけれど、エリーゼのピュア度に届かない。そもそもマニュアル車に乗りたいのだった」というのは国沢さん。エリーゼのピュアさは乗れば誰しも感じるところ。A110にMTの計画がないことは、自分も寂しく感じている。メガーヌR.S.にはラインアップしたのに。 「すべてに軽く、すべてがダイレクト。ライトウェイトじゃなければロータスじゃない!!」というのは桂さん。初期の690kgに比べればだいぶ重くなっているとはいえ、スポーツ220IIは924kgと1t切りはキープ。A110との200kg近い差ははっきりと体感できる。“軽さ”の旨みはすごい。 もちろんマイカーのA110には満足していて、末永く乗り続けたいと思っているが、ライトウェイト・スポーツの大先輩であるエリーゼが、いまでも一線級の実力を持っていることには改めて驚きを禁じ得ない。その偉大さに敬意を表してランキングは1位とさせてもらった。 「ケータハムみたいに再販すればいいのに」とは本誌の上田さん。その手があったか。厳しさを増す環境・安全などの規制を少量生産車としてすり抜けられるかどうかはわからないが、どんなカタチでもいいから残して欲しい名車である。 文=石井昌道 写真=柏田芳敬/神村 聖 (ENGINE2021年9・10月号)
からの記事と詳細 ( ロータス・エリーゼ・スプリント220がエンジン・ホット100で第5位! 多くの選考委員が生産終了惜しんだ(ENGINE WEB) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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