【NQNニューヨーク=横内理恵】19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比268ドル97セント(0.7%)安の3万5601ドル98セントで終えた。新型コロナウイルスの感染再拡大で、欧州景気の回復が遅れるとの見方が投資家心理の悪化につながった。旅客需要の伸び悩みが意識され、航空機のボーイングが大幅安となり、ダウ平均の重荷となった。
オーストリア政府が19日、22日から全土でロックダウン(都市封鎖)を再実施すると発表した。オーストリアが完全な都市封鎖の実施に踏み切ることで、新規感染者が急増しているドイツなど他の主要国でも同様の厳しい規制が導入されるとの観測が強まった。米国でも北東部や中西部で感染者数が増えており、冬場の感染急増が懸念されている。
ボーイングが6%下げ、1銘柄でダウ平均を80ドルあまり押し下げた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが19日に中型機「787」に新たな不具合が見つかり、出荷再開の遅れにつながると報じたことも売りを誘った。
米原油先物相場が一時、1カ月半ぶりの安値を付け、石油のシェブロンが売られた。米長期金利が低下し、利ざや悪化懸念からJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなどの金融株も下げた。ダウ平均の構成銘柄以外では空運のユナイテッド航空ホールディングスやクルーズ船のカーニバルなどレジャー関連銘柄の売りが目立った。
一方、長期金利低下で相対的な割高感が和らぐとして、高PER(株価収益率)のハイテク株は買われた。スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトがともに上場来高値を更新した。18日夕に四半期配当の増額を発表したスポーツ用品のナイキも買われた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比63.728ポイント(0.4%)高の1万6057.438と連日で過去最高値を更新した。画像処理半導体のエヌビディアが上場来高値を更新した。アナリストが目標株価を引き上げた電気自動車のテスラが4%上昇した。
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