ホンダが販売する新車は2040年にすべて電気自動車と燃料電池車に置き換える方針。この動きに重大な経営判断を迫られるのが、取引先の部品メーカーだ。
2022年4月にホンダは長期戦略の発表を行ったが、サプライヤーからはいっそうの具体化を求める声も聞かれる(撮影:尾形文繁)
2022年10月上旬、三部敏宏社長をはじめとするホンダ経営陣の姿は都内ホテルにあった。同社と関係の深い部品メーカーの幹部たちとの会合に赴いていたのだ。会合では三部社長が足元の事業状況を報告、最後に、本田技術研究所で開発を進める小型衛星ロケットの打ち上げの様子を映像で流した。
三部社長としては、人工知能(AI)ロボットや空飛ぶクルマ「eVTOL」と合わせて、新領域と位置づけるロケットの開発状況をアピールしたかったのだろう。だが、部品メーカー幹部らの反応は厳しい。
「4輪事業をどうしていくのか、もっと具体的な説明が欲しかった。ロケットはわれわれに何のメリットももたらさない」。会合に参加したあるホンダ系部品メーカーの幹部はそうこぼす。
廃業を選んだ部品メーカーも
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