日本市場向けエンジン「X」の量産が無事スタート─。圧縮比を16.3まで高め、圧縮着火により希薄燃焼(リーンバーン)を実現する新型ガソリンエンジン「スカイアクティブX(SKYACTIV-X)2.0(以下、X)」。レギュラーガソリンと高オクタン価ガソリン(ハイオク)の両燃料に対応する日本市場向けXの組み立てラインを、マツダが2019年11月に公開した。
日本市場向けXを搭載するのは、2019年末に発売した小型車「MAZDA3」と、2020年1月発売のSUV(多目的スポーツ車)「MAZDA CX-30」(図1)。MAZDA3を造り始めるのに合わせ、マツダは本社工場(広島地区)の一画にあるエンジン工場で日本市場向けXの量産を開始した(図2)。Xエンジンは発売直前にハイオク対応を追加したことで、MAZDA3のX搭載車の発売が延びた経緯がある。
図2 日本市場向けエンジン「SKYACTIV-X」
マツダの本社工場にあるエンジン工場で量産を開始した。現行のガソリンエンジン(2機種)と合わせて3機種のエンジンを1本の組み立てラインで混流生産している。右側に見えるのはG。(写真:日経クロステック)
このエンジン工場は、2014年に現行のガソリンエンジン「SKYACTIV-G」の生産を開始。その組み立てラインを改造することで、Xの生産にも対応させた。他に少量だが、SKYACTIVの開発以前のガソリンエンジン「L型(以下、L)」も造っている。エンジン工場は「EKライン」「ELライン」「ERライン」の3つのエンジン組み立てラインを持つ。このうち、Xを造るのはELライン。
ただし、このラインはXだけではなく、GとLと合わせて3機種を混流生産することで生産効率を高めている。
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