- 2020/05/03
- 後藤武
新開発油冷エンジンを搭載したスズキのジクサー250がもうすぐ国内販売される。今回は一足早く、逆輸入されたインド仕様のSF250を試乗。新開発の油冷エンジンのフィーリング含め、ストリートでどんな走りを見せてくれるのか確かめてみることにした。
PHOTO●渡辺昌彦(WATANABE Masahiko)
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スズキGIXXER SF250……36万9000円
250スポーツバイクの人気が高くなり、性能競争が始まってもスズキはこれに加わらなかった。速さやパワーを追いかけるのでなく、あくまでもストリートでの楽しさや走りやすさを大事にするべきだと考えたからだ。その想いが結実したマシンが今回紹介するジクサーSF250である。
力強いトルクが特徴の油冷エンジン
250ロードスポーツには、ホンダCBR250RR、ヤマハYZF-R25、カワサキNinja250と強力なライバルが揃っている。どのマシンも高回転型ツインエンジンを搭載して高いスポーツ性を発揮する。
しかしスズキのニューモデルジクサー250は、これらライバルにパワーで勝負を挑むマシンではない。低中速のトルクを重視した新開発の油冷単気筒エンジンを搭載し、実用域での扱いやすさやスポーツ性を追求しているのである。
このマシン最大の注目はやはり油冷エンジンだろう。従来の油冷は空冷に近い冷却だったが、ジクサーのエンジンは水冷エンジンのようにジャケットがあり、ヘッドやシリンダーの周りにオイルを流して冷却するというシステムだ。
メカニズムは当初の油冷から随分変わったが、狙っているのは同じ。安定した性能を発揮させながら軽量コンパクトに仕上げることである。
このエンジン、スズキが気合を入れて作っただけあって、とても良くできている。2000rpmから3000rpmあたりを使えばストリートを走るのに十分なトルクが出ていて、どの回転域からでもスロットルを開ければ同じ様に加速していく。この力強さはシングルならでは。ツインでは真似することはできない。
スロットルを開けた時のフィーリングも良い。レスポンスがとても良くてスロットルを開けると威勢よく回転が上がるのだけれど、開け始めのドンツキが抑えられているから、スロットル操作にも気を使うようなことがない。
高回転まで引っ張ってみるとレブリミットまできれいに回っていく。フラットで扱いやすい特性だ。
安定性が高く落ち着いたハンドリングが魅力
ハンドリングは素直。低速でバンクさせてもステアリングに舵角があまりつかないところは筆者好み。ステアリングには力を入れず、下半身でマシンをコントロールすることができる。250とは思えないほどシットリしたハンドリングで安定感があるのは装着されているラジアルタイヤによる恩恵も大きいだろう。
このハンドリングとエンジン特性のおかげでUターンも非常に楽。サスもよく動いてくれた乗り心地も良好。ストリートを走らせた印象はかなりの高得点。
しばらく乗って思ったのは、ジクサーSF250がスポーツツーリングマシンなのだということ。ビックバイクでは高い性能を持ちながら、ストリートやツーリングでも乗りやすいモデルが人気だが、まさにああいうマシンの250版という感じなのである。
ストリートでの扱いやすさと楽しさ、適度なスポーツ性、そして低価格を高いレベルでバランスさせたジクサーSF250。このマシンがこれからどのように評価されるのか、とても楽しみだ。
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May 03, 2020 at 12:08PM
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