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現行モデル唯一無二の250cc直4を引っ提げて’20年にデビューするカワサキ ニンジャZX-25Rと、同社直4クォーターの原点であるZXR250。本ページでは両車のエンジン細部を比較検証。共通点も見出せたが、ヘッドカバー上の電動ポンプらしきパーツなど、25Rならではの新しいメカニズムも発見できた。
冷却や環境性能は最新&先進。ターゲットは世界か?
オールアルミで鉄スリーブを持たないメッキシリンダーは、高い冷却効果を持ち、軽量化にも貢献する。4ストでは’00年代以降に量産された技術で、現行250ではYZFも採用。ZX-25Rユニットの特徴と言える。
排気ポートへの2次エア導入を電子制御し、高度に排ガスをクリーン化する機構も特筆すべきもの。触媒と合わせ、’20年から適用された欧州排ガス規制ユーロ5にも対応できるだろう。アジアだけでなく、世界中でZX-25Rを販売する布石は整っている。
30年前のZXR250にも似たオーソドックスな構成でコストを抑えながら、性能や環境に関わる部分ではしっかり最新技術を押さえてきた。実に抜け目のない設計で、排ガス規制によって絶滅した250㏄直4が再び甦ることに拍手を贈りたい。唯一無二のフォーミュラサウンドを実際に堪能できる日が楽しみだ。
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【シリンダーの色の違いは硬化処理の影響?】ともにアッパークランクケースと別体式となるシリンダー。ZXRは鋳鉄スリーブ入りのオープンデッキだが、気になるのは25R。表面が滑らかで、色も白っぽくツヤがないなど、明らかにヘッドやケースと製法が異なる。恐らく鉄スリーブレスのアルミシリンダーと思われる。別体式なのはメッキなどでボア内径の硬化処理をしやすくするのが目的か。色が違うのも硬化処理の影響と思われる。
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【ヘッド上の電動ポンプでユーロ5にも対応か?】ヘッドカバー上には2次エア導入用と覚しき電動式ポンプ(ソレノイド?)が。一般的にバイクは単純なバルブ開閉のオンオフで2次エアの流れを制御しており、珍しい装備となる。精緻な排ガス制御でユーロ5に対応するのが目的か。現代的なダイレクトイグニッションもZXRとの違いだ。
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【吸気ポートに新機構アリ?】25Rの吸気ポートは蓋がされており非公開。特許を漁ったところ、’18年6月、カワサキが吸気に関する特許を出願していた。これは吸気ポート下部に燃料噴射装置を設置し、燃焼室内に噴射するもの。気化熱で冷却し、出力向上を図るという。だが25Rにそのような機構は見当たらず。
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【効率的にテンションがかかる横押しタイプ】2車とも右サイドカムチェーン。同じく背面にカムチェーンテンショナーを備えるが、ZXRは当時のカワサキに多い上から押すタイプ。25Rは横に向かって押す方式で、テンションがかかりやすく耐久性も高い。ZX-10Rと同様の方式だ。
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【排気ポートは25Rの方が大径?】排気ポートはZXRがφ25㎜、25Rはφ27㎜(推測)で、共に外径と内径に差がある。ちなみにマフラーは形状はまったく異なるが、2車とも4in2in1だ。
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【排気系を避けるオイルパン形状】2車とも、オイルパンは排気系を避けつつ下に突き出た形状。オイルを1か所に集め、激しいライディングでも安定してオイルポンプが吸い上げられる。
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【サーモスタットは両車シリンダー背面】冷却水の温度を調節するサーモスタットは2車ともシリンダー背面に設置。25Rは、250クラスとしては非常に大型。アルミシリンダーと同様、ここにも冷却への配慮が窺える。
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【ウォーターポンプの場所も新旧で同じだ】ウォーターポンプとジェネレーターはエンジン左側。これも2車とも同様だ。25RのポンプはZXRより大幅に小型化されている。
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【黒塗りカバーに血脈を見る?】新旧ともクラッチカバーには、放射状に配置したリブを設け、ブラック仕上げとしている。250㏄直4の血筋をやはり意識した?
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【取材協力:モトパーツバンク】’80’90年代のレプリカや少々レアな(高騰していない)旧車などの国産車中心に、通販メインで車両販売を行う。遠方のユーザーが安心して購入できるよう、販売車を鮮明に撮影するスタジオ(今回の撮影でも借用)も備えるのも特徴だ。豊富な中古パーツを駆使したリーズナブルな修理も得意だ。●住所:埼玉県川口市安行原2166 ●営業時間:10時〜18時 ●定休日:月火曜 ●URL:http://motopartsbank.com
●文:沼尾宏明 ●写真:川島秀俊(ZX25R)、岡拓(ZXR250)
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June 26, 2020 at 04:30AM
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