2リッターターボエンジンは現行モデルで421馬力を発生!
メルセデス・AMGといえばハイパフォーマンスブランドとして不動の地位を築いている。そのバリエーションは多彩でメルセデス・ベンツ車のラインアップに準じて、ほぼすべてのモデルにAMGバージョンが存在する。GTシリーズのようにAMG社が独自に開発した専用モデルも展開し積極的な販売戦略を取っているのだ。
そんなメルセデス・AMGラインアップのなかでもっともコンパクトでエントリーに位置するのがA45、CLA45といったAクラス系をベースにしたモデルなのだが、これが今とんでもないことになっている。メルセデス・ベンツのコンパクトカーであるAクラスをベースに開発され、2015年のデビュー当初は2リッター直4直噴ターボエンジンを搭載し最高出力360馬力を謳って世界震撼させた。2リッターで360馬力ということはリッター当たり出力が180馬力にも及ぶ。一昔前ならレーシングエンジンでも達成するのが難しいと言われた出力スペックだったからだ。
同じ2リッターターボエンジンを搭載する国産のスポーツモデルといえば2000年代まで三菱のランサー・エボリューション(ランエボ)やスバル・インプレッサWRXなどが一世を風靡した。当時は280馬力という国産メーカーの自主規制に則った最高出力のスペックが示されていたが、それでもその走りは強力。僕はランエボでスーパー耐久を闘い通算50勝を記録したが、レース用に整備されたエンジンはそれでも320馬力前後だった。それが市販車として同じ2リッターターボから360馬力を絞りだすというのだから驚異的であるわけだ。しかし事はそれで収まらない。AMG社は45シリーズを年々改良し2018年には381馬力に、そしてフルモデルチェンジを行った新型にはなんと421馬力という驚愕のパワーを授けたのだ。
この最新モデルを富士スピードウェイ(FSW)で走らせる機会に恵まれた。これほどのハイパフォーマンスを全開で走らせるには1.5kmに及ぶ最大直線距離を誇るFSW以外、ほかにない。最初は4ドアクーペスタイルのセダンボディを持つCLA45S 4MATIC+を試した。
45シリーズの特徴はパワースペックだけではない。4輪駆動のAWDシステムを備えリヤアクスルには左右トルク配分可能な電子制御デファレンシャルを備える。さらに4輪ブレーキ個別電子制御によるトルクベクタリング機能も備わり、これらを統合制御して「ドリフト・モード」なるドライビング制御モードを備えさせている。4輪駆動でありながらドリフトを可能としているというのはランエボ時代に目指していた方向性と完全に一致し、「ゼロカウンター」として世界中に知れ渡った独自の走法に通じるものだ。
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May 12, 2020 at 02:00PM
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