Saturday, April 17, 2021

M2 M3 M4…エンジンメーカーBMWの誉れ高い直6エンジン搭載車の現在地 - ベストカーWeb

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 ドイツにあるBMW本社(BMW AG)のフルネームは「Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft」。直訳は少し違うのだが、こなれた日本語にするなら「バイエルン・エンジン製作所株式会社」ということになるだろう。

 そんな社名を持つ同社はよく知られているとおり、もともとは航空機用エンジンメーカーだった。第一次世界大戦の敗戦により航空機の製造を禁じられた結果として、二輪車や四輪車のメーカーへ転じたという背景を持っている。

 そんなBMWだけに、同社の大きなアピールポイントは2021年の現在も「エンジン」だ。方式や気筒数を問わず精密な感触でもって高回転域まで吹け上がるBMW製エンジンには魔力的な快感がある。

 特にその直列6気筒エンジンは「シルキーシックス(絹のような感触の6気筒エンジン)」との異名を持ち、「地上で最高のNAエンジンである!」と評する人間も多い。

 だがそんなBMWのシルキーシックスも今、存続の危機にひんしている。ご承知のとおり現在、世界規模で「純内燃機関の新車販売を将来的に禁止する」という動きが加速している。

 まだ新車販売禁止だけだが、将来的な都市中心部への乗り入れ禁止などを含め、すでに販売されているクルマや中古車がどうなるのかはわからない。

 そこで、BMWの名機、直6エンジンを搭載したM2やM3、M4の中古車は今どうなっているのか、調べてみた。

文/伊達軍曹
写真/ベストカー編集部 ベストカー

【画像ギャラリー】BMWの伝家の宝刀「シルキーシックス」こと直6エンジン搭載モデルをチェック!


純エンジン車がなくなってしまう前に乗っておきたい!

2021年1月26日に発表、発売された新型M3とM4。新しいBMWの顔となる縦型キドニーグリルを採用
直6エンジンにこだわり続ける自動車メーカーといえばBMW。写真は 1977~1989年まで生産された、世界一美しいクーペと呼ばれたBMW635CSi。搭載されている直6エンジンは、まるで絹のようになめらかに吹け上がることから「シルキーシックス」と呼ばれ、ファンを魅了した

 米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は2020年9月、同州内におけるガソリン車の新車販売を2035年までに禁止すると発表し、英国政府も2020年11月、ガソリン車とディーゼル車の新車販売を2030年までに禁止すると発表した。

 また我が国日本でも、東京都が2030年、日本政府が2035年にはガソリン車の新車販売を禁止する方針だ。

 BMWのお膝元であるドイツは、PHVを含むガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車の全廃を「2050年」と、比較的遅いタイミングで設定している。しかしBMW AG自身は「今後数年間で電動化を加速させる」と表明した。

 具体的には2023年からフルEVを12車種に拡大し、2025年までにフルEVの販売を年間平均で50%以上増加させる。そして2030年までに、世界販売台数の少なくとも50%をフルEVにする……というのがBMW AGの計画である。

 この計画どおりに物事が進むかどうかはさておき、少なくともいえるのは、「フルEVが増える分だけ、BMWの直6ガソリンエンジンは廃番となっていく可能性が高い」ということ。

 それがいつになるかは不明だが、そう遠くない将来には、BMWのシルキーシックスは「買いたくても買えない」になっているのかもしれないのだ。

 ならば今のうちに、とことん堪能しておくしかない。それも、通常のBMW製直列6気筒以上に官能的な「Mモデルの直列6気筒」を!!!

 ……と、びっくりマークを3つも付けて力説したが、直6を搭載する現行Mモデル(M2クーペ/M3セダン/M4クーペ)の新車はなかなか高額であり、ド庶民である筆者風情がそう簡単に買えるものでもない。

 ということで、その「中古車」について考えてみることにしたい。はたして直6搭載Mモデルとはどんなもので、いくらぐらいで買えるのか……ということを!!!

F87型M2クーペ/370psの3L、直6ターボを搭載するちょうどいいサイズのスペシャルティ


■おススメは450万円前後、走行距離は2万km台

M2クーペに搭載されるN55B30A型3L、直6ターボエンジンは370ps/47.4kgmを発生。最大トルクはオーバーブースト機能によって一時的に51.0kgmまで引き上げられる
2018年8月、M2クーペの直6、3Lターボエンジンをさらに強化して登場したのがこのM2コンペティション
最新モデルのM2コンペティションは、先代M4クーペの冷却システムを採用したS55B30A型3L、直6ツインターボエンジンを搭載。最高出力は410ps/56.1kgmにパワーアップ

M2クーペの中古車情報はこちら!

 まずは「M2クーペ」からいってみよう。BMW M2クーペは、初代M3や2002ターボの伝統を引き継ぐ「もっともコンパクトなMモデル」として、日本では2016年1月に発売された。

 ベースとなったのはBMW2シリーズクーペで、縦置きされるエンジンは最高出力370psの3L、直6ターボ。最大トルクは47.4kgmだが、オーバーブースト時には51.0kgmまで高められる。

 当初のトランスミッションは7速DCTの「M DCT ドライブロジック」で、駆動方式は当然FR。足回りには軽量な専用設計サスペンションと「Mコンパウンドブレーキシステム」が採用された。

 そして2016年10月には待望の6MTが追加され、こちらはシフトダウン時に自動でエンジン回転数を上げる「スロットルブリッピング機能」付きとなった。

 さらに2018年8月には、同じ3L、直6ターボながら最高出力410psを発生する「M3」「M4」譲りのユニットを搭載する「M2コンペティション」が登場。

 このタイミングで従来のM2クーペはカタログ落ちした。またわずか60台限定ではあるが、2020年4月には最高出力450psの軽量ハイパフォーマンスモデル「M2 CS」も導入された。

 ……というのがM2クーペの大まかなヒストリーなわけだが、新車時価格768万~1285万円だったそれの中古車は今、ズバリいくらなのか?

 結論から申し上げると、2016年から2018年途中の「M2クーペ」が380万~660万円で、2018年途中からの「M2コンペティション」が580万~740万円というのが直近の大まかな相場。

 ちなみに60台限定の「M2 CS」の中古車はさすがに希少かつ高額で、約1200万円の物件が1台流通しているのみである。

 BMW M2の中古車をこれから狙うのであれば、後期型に相当するM2コンペティションではなく、前期型である「M2クーペ」にするべきだろう。

 もちろん絶対的な諸性能はM2コンペティションのほうが上なわけだが、コンペティションは中古車相場も「上」で、底値圏の物件でもおおむね600万円は下らない。

 で、そこまでのお金を投じるならいっそ新車を買いたくなるのが人情というもの。新車ではなくあえて中古車を選ぶのであれば、「車両450万円前後、走行距離は2万km台」ぐらいのM2クーペを選ぶのが、結果として納得感の強い選択となるだろう。

次ページは : F80型M3セダン/怒涛の431psの3L、直6ツインターボ!

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