かつて、80年代から90年代のホンダ製スポーツカーに搭載されていたVTEC NA(自然吸気)エンジンは、パフォーマンスと環境性能に優れたエンジンだった。昨今は、VTECもターボ付きでトルク重視が主流となっているが、限られた車種にしか搭載されなかったVTEC NAエンジンは、スポーツカーファンにとって一つの歓びでもあり、仮にこのエンジンがなければ「タイプR」の魅力は半減してしまう、といっても過言ではないほど、重要なものだった。 VTECエンジンを積んだホンダの名車を画像で見る 「名機」と名高いVTECエンジン。このエンジンがあったからこそ、ホンダは数々のスポーツモデルを生み出すことができた。高回転用・低回転用という2種類のカムを使い分け、痛快なスポーツ性能と日常の扱いやすさや経済性を高次元に両立させる、Honda独創の可変バルブタイミング・リフト機構「VTEC」の魅力と今後について考えてみよう。
■90年代のスポーツカーに活路を与えてくれたVTEC
VTECは、ホンダのエンジン技術の「アイコン」であり、先日登場した新型シビックにも採用されている。VTECの正式名称は「バリアブル・バルブ(V) タイミング(T) アンド リフト・エレクトロニック(E) コントロール(C)システム」。燃費改善を狙いに排気量を下げた分、パワーが必要となる高回転域では最大限パフォーマンスが発揮できるよう、エンジンバルブのリフト量とタイミングを可変するシステムだ。最初に搭載されたのは、1989年登場のインテグラであった。 軽量でサイズもコンパクトなエンジンなのに、高いパフォーマンスが得られるとして、タイプRを中心に、スポーツグレードへ搭載されてきた。低回転での扱いやすさと、中回転以上でドカンとパワーが出る特性が特徴的で、90年代のDOHC VTECには、神話的な人気があった。 パワーを上げるには、排気量を上げて、ターボやスーパーチャージャーで加給するなど、環境保全とは真逆の方向へと歩まざるを得なかった90年代。だが、ホンダはこのVTEC技術を用いて、1クラス上の高出力と低燃費、低エミッションなど、相反する性能を両立した。この技術があったからこそ、インテグラやシビックのタイプR、そして1999年に登場したピュアスポーツオープンカーS2000など、リッター100ps超えのNAエンジン搭載車を、生みだすことができたのだ。
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