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2020年4月30日
Turbo|ターボ
いま乗ってみたい、ターボエンジンの名車13選
エコカーからスーパーカーまで、ターボエンジンが当たり前の存在になって久しい。しかし、車名に「ターボ」の名を戴くだけで、クルマ好きがワクワクさせられた時代もあった。ここでは、そんなターボが輝ける存在だったころの名車を厳選して紹介する。
Text by OGAWA Fumio
ターボは自動車好きをわくわくさせてくれるホットな技術だった
いま、軽自動車からスーパースポーツカーまで、ターボチャージャーが付いていないクルマを探すほうが難しい。比較的小さな排気量のエンジンでもパワーを引き出しやすいからだ。
いまは1リッターのクルマでも、昔の2リッターに匹敵するぐらいの力を感じるまでになっている。それもターボをうまく使っているからだ。低回転用と高回転用、2つのターボを装着しているモデルもある。
でも「ターボ」っていったら、やっぱり、ドッカンとすっとんでいく、パワフルなモデルを想像してしまう。いまの、環境適合型の“クール”なテクノロジーはもちろん大切なんだけれど、ターボと車名にあるだけで、自動車好きをわくわくさせてくれるホットな技術だった時代があったのだ。
クルマの世界で、ターボ車が話題になるのは、過去にはいくつかのピークがあった。BMWが「2002ターボ」を発表したのが1973年。続いてポルシェが75年に「911ターボ」を送り出して、ターボパワーを広く知らしめることになった。これが最初の波だろう。
ラリー選手権で走るクルマのように、ハンドリングのためにできるだけ小さなエンジンでパワーを追求したい場合、ターボチャージャーは有効だった。
アウディの「クワトロ」(80年)や、ルノーの「5ターボ」(80年)の活躍ぶりにはワクワクさせられたものだ。さらに85年にはランチアが「デルタS4」を出し、そのあと改良型を次々に発表してラリーで暴れまくったのは今でも鮮明に記憶に残っている。
ターボチャージャーは、エンジンから出る排ガスの力をうまく使って、エンジンパワーを引き出す装置。排気の圧力でタービンを回すことで、効率よく混合気を燃焼室に送りこむ。それでパワーアップを図るのだ。
日本のメーカーは80年代、ターボモデルを好んで設定した。小型車、セダン、スポーティカーまで、幅広くターボ車が登場した。なかでも日産は熱心で、ラインナップのほぼ全般にわたってターボモデルがあったのだ。
なかでも思い出ぶかいのは、89年の日産の「スカイラインGT-R」だ。同時期には、スズキが軽自動車の分野で出した「アルトワークス」(86年)や、ラリー選手権で活躍した「ランサーエボリューション」(92年〜)だ。フルタイム4WDシステムの組合せで、ターボ車の可能性をまったく違う分野で追求した点で画期的である。
ランエボと通称されたランサーエボリューションは、1〜2年の単位で改良が加えられ、「Ⅱ」「Ⅲ」……とパワーアップしていった。なかでもランサーのモデルチェンジとともに発表された「Ⅳ」(96年)などは、WRCでドライバーズ選手権を獲得するなど、ランエボ大活躍の時期を象徴するモデルだ。
ではさっそく、いま乗ってみたいターボの名車13台を厳選して紹介する。
懐かしのターボ車が勢ぞろい
1)日産スカイラインGT-R(1989年)
R32 というコード名を持つスポーティ2ドアセダン、スカイラインの金字塔。2.6リッター直列6気筒エンジンにターボチャージャーを搭載し、フルタイム4WDでスポーツカーなみの速さ。
2)ホンダ・シティターボ(1982年)
トールボーイタイプのシティカーというイメージで81年に登場したシティに追加されたモデルで、こちらはシティと同じ1.2リッターエンジンながらターボ化により、67psから100psへとパワーアップしていた。
ランサーエボリューションⅣ (1996年)
7代目になったランサーの派生車種として登場。2リッターターボのパワフルなエンジンに4WDシステム。さらに、リアの左右輪の駆動力を別々にコントロールしてアンダーステアを消すアクティブヨーコントロールなど高度な技術が盛り込まれている。
スズキ・アルトワークス・ツインカムターボ(1988年)
企画力のスズキらしく、徹底的に軽自動車を楽しもうという意図で開発されたモデル。657cc3気筒エンジンにターボチャージャーの組合せで驚くほど速い。4WDシステムに加え、ラジエター、インタークーラー、変速機などレース専用のものが装着された仕様もあった。
5)スバル・レガシィツーリングワゴンSTi(1992年)
大ヒットした理由は、パッケージングのよさとクリーンなスタイリングと、それにパフォーマンス。220psのターボエンジン搭載の「STi」を限定発売するなど企画力もヒットの背景に。
6)ユーノス・コスモ(1990年)
当時、マツダが傘下に設定したブランド「ユーノス」から発売した高級スポーティスペシャルティクーペ。ロータリーエンジンに、排圧によって順次作動するシークエンシャルターボの組合せ。スタイリングも魅力を失っていない。
7)BMW2002ターボ (1973年)
ターボチャージャーを高性能車のために活かしてみようというコンセプトの下、69年のグループ5カーでの試行のあと、量産車にまとめあげたモデル。ドイツ国内では“速すぎる”とネガティブな評価も。74年で生産中止されたが、歴史に残るモデルとなった。
8)ルノー5ターボ (1980年)
ラリー選手権のためのモデルを必要としたルノーが開発したモデルで、市販の小型ハッチバック「5」の販促の目的もありスタイリングは寄せているものの、1.4リッターターボエンジンをミドシップした2人乗りのハンドリングマシンと、オリジナルのルノー5とはまったく別もの(写真は最初の限定車)。
9)ランチア・デルタHFインテグラーレ (1987年)
いまもファンに愛されるスポーツハッチバック。イタリア版VWゴルフといえるデルタの販促のために高性能化してラリーでの活躍をめざすべく開発されたのがターボエンジンに4WDのデルタHF(83年)。そこから89年のHFインテグラーレ16Vまで”進化”していった。
10)ポルシェ911ターボ (1975年)
レーシングマシンで熟成させたターボ技術を搭載した高性能911で、88年に次世代がデビューするまで、長いあいだ愛された。当初は3リッター水平対向6気筒ターボだったのが、78年に3.3リッターへと拡大されパワーも上がった。
11)アウディ・クワトロ (1980年)
アウディの歴史をいくつかに分けるとしたら、ここから現代へとつながる新しい章が始まっている。フルタイム4WDと5気筒ターボエンジンによるオンロードの高性能ぶりが衝撃的だった。同様のドライブトレインは、「100」「200」とさまざまなアウディモデルに展開された。
12)サーブ900ターボ (1978年)
ターボで存在感をアピールしたのが70年代のサーブ。77年に「99ターボ」を発表し、フルモデルチェンジして「900」になったときも続けて設定された。トルクアップのためのターボだったが、高性能化が求められたため写真の「ターボ16エアロ」(84年)なども設定されて好評を博した。
13)ベントレー・ターボR (1985年)
6.8リッターの大排気量エンジンにターボを組み合わせ、さらに足まわりを固めにしてハンドリングを重視。高級セダンのイメージをくつがえすようなキャラクターが新鮮だった。独特の乗り味が魅力的で、いまでもファンが少なくないのも納得。
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April 30, 2020 at 08:26PM
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