Tuesday, August 4, 2020

787エンジン不具合の地上待機解消 ロールス・ロイス、トレント1000改修前倒し - Aviation Wire

 ロールス・ロイス(RR)は、ボーイング787型機向けエンジン「Trent 1000(トレント1000)」の改修について、運航不能になった機体が地上待機している状態「AOG(Aircraft On the Ground)」を、4-6月期(第2四半期)に解消したとこのほど明らかにした。AOGになっている787を4-6月期までに1桁台に減らすとしていた目標を上回った。

Trent 1000の改修に伴う787のAOGが4-6月期に解消=16年5月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 トレント1000の不具合は、エンジン内にある中圧コンプレッサー(IPC)のローターブレードに関するもの。亀裂が生じることで飛行中にブレードが飛び散り、機体の操縦性を低下させる可能性があることがわかった。このため、RRは耐久性を高めたエンジン部品の供給を開始し、全世界で改修を進めてきた。トレント1000は大別すると「パッケージA」から「パッケージC」まで3種類あり、改修はもっとも多いパッケージCからスタートした。

 RRは、予備エンジンの在庫を増やして運航への影響を最小化したことに加え、トレント1000の耐久性を向上するため、IPCブレードのほか、中圧タービン(IPT)ブレード、高圧タービン(HPT)ブレードを改良。改良型IPTブレードは、すべてのトレント1000エンジンで利用でき、運航中の機体の99%以上に使われているという。

 再設計されたIPCブレードは、パッケージCとトレント1000の改良型「トレント1000 TEN」で採用。パッケージBでは、今年10-12月期(第4四半期)に使用できるようになるとしている。また、IPCブレードのロールプログラムは、2021年末までにトレント1000 TENとパッケージCに搭載される見通し。

 パッケージBとパッケージCでは、HPTブレードの強化設計が可能で、50%以上の機体が新基準に適合しているという。

 RRのウォーレン・イーストCEO(最高経営責任者)は2019年11月にAviation Wireの単独インタビューに応じ、トレント1000搭載の787でAOGとなっている機体が、今年中ごろまでに全世界で一桁まで作業が進むとの見通しを示していた。最大顧客である全日本空輸(ANA/NH)のエンジンについては、最優先で作業を進めていた。

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