日野自動車は2020年12月23日、北米向けエンジンに関して米国の法定認証試験の過程で課題が生じたことにより、2021年9月末まで北米での車両生産を停止すると発表した。
稼働を停止するのは、連結子会社の日野モータースマニュファクチャリングU.S.A.のウェストバージニア工場と、日野モータースカナダのウッドストック工場の2カ所だ。エンジン型式「A09C」「J08E」「J05E」の新しいモデルイヤーエンジンの認証が遅れるため、搭載車両の発売も延期となる。生産再開と該当車種の発売は2021年10月を計画している。
生産停止に伴う業績への影響は精査中だとしている。北米における日野自動車の販売台数は、2019年度で1万7100台で、グローバル販売18万302台の約1割を占める。なお、直近の北米での販売台数は、2018年度が1万7385台、2017年度が1万6556台、2016年度が1万8828台だった。2020年度はグローバル販売が前期比20.6%減の14万3000台で、このうち北米向けは同53.2%減の8000台を見込む。
商用車市場は、乗用車と比べて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響からの回復が遅れている。北米は2020年度下期も低水準が続く見通しだ。2021年度の大半の期間で北米での生産が停止することは小さくないダメージとなりそうだ。
北米では電動化を推進中
日野自動車は北米向けに電動車のラインアップを強化する「プロジェクトZ」を推進している。トヨタ自動車と燃料電池(FC)大型トラックを開発する他、複数のパートナー企業と協力してEV(電気自動車)トラックやEVトラクターを開発する。プロジェクトZでは、2021年前半に試作車両を製作、2022年にユーザーと実証を行い、2024年までに量産を開始する計画だ。
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