エンジン関連修理・整備[2021.03.27 UP]
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まさに「知恵の輪!!」 作業は経験者2名体制がベスト
アッパークランクケースへ圧入固定されたウエットライナーへピストンコンプリートを挿入。 2番3番のピストン下部をクランク側へ引っ張り出し(ピストンリングはスリーブに挿入したまま)、 ピストンピンを引き抜き待機。そして、組み立て式クランクシャフトの2番3番コンロッドと 各ピストンをドッキング……。この知恵の輪のような組み立て方によって、 過去に好調なエンジン作りに成功している担当ビルダー。あまりにも作業環境=部品の組み合わせが狭く、 しかも想定を超えたピストンボアのため、このような組み立て方を選択しているようだ。
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クランクケースアッパーが安定していないと、これから先の作業はより一層大変になる。横倒しにしたアッパーケースの下に木っ端を挟み、ケース自重で揺れないようにケースを安定させた。
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組み立て式一体クランクシャフトの2番3番コンロッドのスモールエンドを、2番3番ピストンの裏側へ寄せていく。この際、ジャーナルベアリングを固定する孔にスタッドボルトを差し込む。
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コンロッドをピストン側へ寄せ、2番3番のピストンピンをエンドに差し込み、ピストンピンクリップを2名体制でパチッとセット。1番4番のピンは内側から差し込んでピンクリップをセットする。
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組み立て経験豊富な作業者2名で息を合わせながら作業進行した。先が面取りしてあるマイナスドライバーの先端に、ヤスリでV字型切り込み加工を施すと作業性、セット性が良いようだ。
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このような組み立て方法で4つのピストンピンクリップをしっかり固定できた。これでクランクケースアッパーにピストンとクランクシャフトのセットが完了。クリップのセットだけで1時間半!!
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すべてのピストンがシリンダースリーブ内に収まる位相でクランクを保持し、シリンダーヘッド面を真下に、アッパークランクケースを作業台の上に立てる。そしてクランクジャーナルを押込む。
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3箇所6本のスタッドボルトにクランクジャーナルをセット。ロックワッシャーを入れてからナットを仮固定する。ナットの締付け時はアッパークランクケースを押さえてもらおう。
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クランクジャーナルを固定するスタッドボルト用ナットの締付けトルクは100~105Nm。トルクレンチを使いしっかり締付け管理しよう。締付け順序は中央ジャーナルから両外側へ移動。
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トルクレンチでジャーナルナットを締付けたら、クランクウェブを握ってクランクシャフトがスムーズに正転、逆転するか確認しよう。ピストンリングの噛み込み時は、スムーズに回転しない。
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クランクがスムーズに回転したら、ウォーターポンププライヤーでロックワッシャーを折り曲げて締付けナットの緩みを防止する。新品のロックワッシャーを利用するのがベストだ。
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アッパーケースとロアケースの合わせ目にはOリングが入るので入れ忘れないように要注意。オイルポンプをアッパーケースに組み付けたら、カバー状のロアケースを締付ける。
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組み立て式クランクのバイク用エンジンでは、クランクジャーナルの固定をアッパーケースとロアケースで挟んで行うことが多いホンダ車だが、AS-E系エンジンのロアケースはカバーのようだ。
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今回はレストア要素も含めたエンジンオーバーホールなので、各パーツを固定するボルト類はすべて純正部品と同じようにユニクロ再メッキ仕上げとした。輝くボルトが美しい!!
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ロアケースをアッパーケースへ固定したらカムチェーンを組み込み、スターターギヤをセットしてからカバーを閉じる。スターターチェーンはエンジンオイルに浸る構造となっているが……。
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スターターカバーとなる鋳物のカバーには数多くの補強リブが入る。AK250/T360のスターターカバーの改良版で、S500とS600の初期タイプのみこのデザインのカバーを採用していた。
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いよいよシリンダーヘッドの組み付けだが、その前に1/4番シリンダーの上死点とクランクエンドプーリーに刻まれた1/4Tの刻線が一致しているか確認。ダイヤルゲージで正しい上死点で固定。
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ダイヤルゲージで1番上死点を確認しクランクプーリーを見ると、カバー側刻線とプーリーの1/4Tは一致していた。刻線が微妙にズレている時は、クランク位相ズレを疑おう。
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純正サービスマニュアルによる「メーンオイルフィルター」は、クランクケース下の濾紙式オイルフィルターではなく、このカムチェーンアイドルギヤに組み込まれる遠心式オイルフィルターである。この遠心フィルターはシリンダーヘッドを外した時しか分解清掃できない!! 分解時は要洗浄。
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