フロントミッドにトルクフルな1UZ-FEを搭載!
操舵性もラック&ピニオン+電動パワステ化で向上
このハコスカ(KGC10)、 エクステリアはある意味なんの変哲もない美しくレストアされたGT-R仕様だ。旧車チューンの王道を感じさせるものでもある。
ところが、エンジン音を聞くと明らかにL型ではないドロドロした重低音が…。そう、このKGC10は、なんとセルシオ用のV8エンジンを換装したスーパーチューンドなのだ。手掛けたのは、レストモッドのスペシャリスト集団“ロッキーオート”だ。
当然ながら、90度バンクの大きなV8エンジンをハコスカのエンジンルームに換装する作業は困難を極めた。邪魔になる補機パーツの位置変更や、それに伴って発生する各部の辻褄合わせなど、トライ&エラーのオンパレードだったそう。しかも、「ただスワップしただけでは意味がない」と、搭載位置を限界まで低く後方に押し込んでフロントミッド化を敢行しているのだから恐れ入る。
「想像以上に大変でしたね。エンジンはノーマル状態(260ps&36kgm)だけど、ハコスカには十分すぎる数値」とは、ロッキーオートの渡辺代表。
フロントのサスメンバーは、エンジン搭載位置の適正化を目的に新規製作。コーナリング性能も徹底追求し、ステアリング機構をボール&ナット式からラック&ピニオン式へとアップデートした上で、油圧パワーステアリングも導入している。
なお、このチューンドは快適なストリート仕様を目指して製作されたため、オートエアコンも装備。構成パーツの寸法や制御の行いやすさから、日産車のパーツを使っているそうだ。
エキゾーストレイアウトも独特。EXマニからフルデュアルでリヤまで這わし、一度タイコで集合させて純正デュアルテール風デザインでフィニッシュ。スワップ車両らしからぬ、自然なリヤビューを演出しているのだ。
ミッションはECR33スカイラインの5速をベルハウジング加工で装着。シフト位置を自然に見せるために、ケンメリのセンターコンソールを流用するなど、ロッキーオートならではのノウハウが盛り込まれている。
ボディは一度ドンガラ状態にしてからフルレストアを敢行。その際にフレームを追加して現行スポーツモデル並みの剛性を与えている。これだけで高速巡航時の安定性がグッと高まるそうだ。
ホイールは軽量&高剛性のボルクレーシングTE37Vをチョイス。ブレーキはS14シルビアの純正4ポッドキャリパーを流用している。
インテリアはスポーティで統一感のある仕上がり。シートはレカロLSを左右にセットし、また同様の生地でリヤシートも張り替えられている。
オーナーはこのハコスカで普段乗りからロングツーリングまで楽しんでいるそうだが、そのナチュラルかつトルクフルなパワーフィールには大満足しているそう。気難しいチューンド旧車の概念を打ち破るクオリティの高さは、まさに“ネオ旧車”と呼べるものだ。
●取材協力:ロッキーオート 愛知県岡崎市小美町字殿街道153 TEL:0564-66-5488
【関連リンク】
ロッキーオート
http://www.rockyauto.co.jp
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