◇国内男子◇日本オープンゴルフ選手権競技 最終日(23日)◇三甲GCジャパンコース(兵庫)◇7178yd(パー70)
蝉川泰果(東北福祉大)の朝は、パッティンググリーンで水平器を使って丁寧に自分の感覚と実際の傾斜のギャップを埋めていく作業から始まる。アマチュアとして95年ぶりの「日本オープン」制覇がかかった最終日もそうだった。
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「日によって感じ方が違うので、そういった部分の調整ですね。朝のルーティンはナショナルチームで習ったことがほとんどです」。昨年末からナショナルチーム入りした蝉川は、ヘッドコーチを務めるガレス・ジョーンズ氏らの教えにより、指をかざしてグリーンの傾斜を読む“エイムポイント”を取り入れた。要所でクラッチパットを決めることができたのも、朝の準備の積み重ねがコースで的確にグリーン傾斜を把握することにつながったからだ。
最難関ホールの後半12番。セカンドをグリーン奥にこぼした蝉川は、一度バッグから抜いたパターを3Iに持ち替えた。コンパクトな振りから、ニアサイドのピンに向かって少しだけキャリーを出して寄せていくアプローチでパーセーブにつなげた。「あれは、完全にジョーンズさんに教えてもらった打ち方です。パターよりロフトがあるクラブの方が、ボールの出だしの傾斜を(キャリーで越えて)消して打てる。パターだと芝が引っかかって、3Iならしっかりした球が打てると思った」と説明した。
プレーを見守ったジョーンズ氏は、この日の朝に会話をして驚かされたことを明かす。「What’s your plan?(今日のプランを教えて)」「Shoot 8 under!(8アンダーを出します)」。6打差のトーナメントリーダーとしてはアグレッシブすぎる答え。プロセスを尋ねると、ひたすら攻めることしか考えていなかったという。9月「世界アマ」では個人戦首位で迎えた最終日に「彼自身がちょっと守りに入る戦略を選び、逆転を許して個人優勝を逃した」ことも影響しているというのがジョーンズ氏の見立てだ。
飛距離を武器に、アグレッシブな攻めでギャラリーを沸かせることができるのは間違いなく強み。ジョーンズ氏も「タイガはエンターテイナーだ。フェラーリのような馬力があり、(海外でもトップクラスの)125mph(55.88m/秒)というヘッドスピードを出せるパワーは天性のもの」と称賛した上で「コースマネジメントを磨き、時としてスマートに戦うことも覚えれば、さらに伸びていく」。粗削りなダイヤの原石は、無限の可能性を秘めている。(兵庫県三木市/亀山泰宏)
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