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マツダの環境と共存する電動エンジン車への思いはとっても熱い――。
待望の直列6気筒(直6)直噴ディーゼルエンジン搭載の新型SUV(多目的スポーツ車)「CX-60」が2022年9月15日に発売となった。ディーゼルエンジンに熱効率を追求した新技術を織り込み、新たなハイブリッド用の環境エンジンとして誕生した。
世界の自動車メーカーが電気自動車(BEV)シフトに走っているなか、この素晴らしいハイブリッド用のディーゼルエンジン車を市場投入したことに敬意を表したい。
マツダの新パワートレーン「e-SKYACTIV D 3.3」は、12.4kWのモーターがクラッチを介して排気量3.3Lのエンジンや駆動系と直列につながった48V簡易(マイルド)ハイブリッドシステムである。リチウムイオン電池の容量は0.33kWhで、一般的なハイブリッド車(HEV)の1/3以下と小さい。通称「P2」と呼ばれるシステムで、組み合わせた変速機はトルクコンバーター(トルコン)をなくした8速AT(自動変速機)だ。足回りは、旋回性と安全性を両立した後輪駆動ベースの全輪駆動(AWD)である。
今回は、御殿場での試乗会とマツダのパワートレーン技術者への取材から筆者なりに咀嚼(そしゃく)して、環境ディーゼルエンジンであるe-SKYACTIV Dを中心に解説する。
理想に近づけた燃焼コンセプト
e-SKYACTIV Dは、ハイブリッド用に最適設計されたディーゼルエンジンであり、欧州を中心に開発が進んでいる電動車向けに特化した内燃機関(DHE:Dedicated Hybrid Engine)コンセプトの一種といえる。つまり、ハイブリッドシステムと組み合わせることにより、最高出力や最大トルクに律速されず、より燃費(熱効率)や排気浄化特性を追求できるのだ。
マツダが新開発したディーゼルエンジンの個性の1つが、排気量を3.3Lにしたことである。ライバル車となる欧州の高級車ブランドの直6ディーゼルエンジンは、軒並み3.0Lだ。
マツダはなぜ、新エンジンの排気量を他社より10%大きくしたのか。理由は大きく2つある。
1つは、燃費や排気浄化特性を向上するために「車両質量に対して最適な排気量にするライトサイジングにした」(マツダパワートレイン開発本部エンジン性能開発部第1エンジン性能開発グループマネージャーの森永真一氏)とのこと。筆者に言わせれば、3.0Lを基準に考えれば、DHEとするための実質アップサイジング(大排気量化)である。詳しくは後述するが、このマツダの判断は正しい。
からの記事と詳細 ( マツダ「CX-60」の直6エンジン、ディーゼル燃焼への“半端ない”こだわり - ITpro )
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