
韓国が独自開発した3段式宇宙発射体「ヌリ号」は、21日の初の打ち上げで全ての飛行プロセスを終えたが、最後の模擬衛星の軌道投入で挫折した。3段目ロケットのエンジンが予定より46秒早く止まったせいだった。韓国航空宇宙研究院(航宇研)の研究員らは、22日午前10時から高興の羅老宇宙センターで会議を開き、非正常飛行の原因分析に乗り出した。専門家らは「3段目のロケットエンジンそのものより、燃料注入系統や動作信号を送る電子系統の誤作動が最も疑わしい」と指摘した。 ■韓国のデジタル競争力は8位、日本27位、TOP10は? ヌリ号は21日、地上から700キロの軌道に、衛星の代わりとなるアルミニウム片を投入することが目標だった。ロケット1段目と2段目は正常に作動し、3段目も正常な高度で模擬衛星を放出したが、進入速度は目標の秒速7.5キロより遅い秒速6.7キロにとどまった。 衛星の進入速度が目標より速いと軌道の外側に飛び出してしまい、遅いと地球に引っ張られ、大気との摩擦熱で燃えてしまう。模擬衛星を軌道に投入した時間も、打ち上げ後967秒ではなく917.8秒だった。エンジンが早く切れたせいで軌道投入も早まったのだ。専門家らは、模擬衛星は地球を1周もできずに墜落したものと推定した。 航宇研のコ・ジョンファン韓国型発射体開発事業本部長は、打ち上げ直後のブリーフィングで「飛行前の計算で推定すると、燃料が足りなかったりエンジンに問題があったりしたわけではないだろう」と語った。1段目と2段目のロケットは、燃料が尽きたら自動的に燃焼が終わる。逆に3段目は、決められた高度と速度に達したら、燃料が残っていてもエンジン停止信号を送る。
航宇研内部では、信号の誤作動と共に燃料注入に問題が生じた可能性も検討している。3段目のロケットはターボポンプで燃料の圧力を高め、エンジンの燃焼室に注入する。この過程で問題が生じると燃料が十分に入らず、エンジンもそれだけ早く消えかねない。オ・スンヒョプ発射体推進機関開発団長も「燃料と酸化剤の供給系統やタンクの加圧システムに問題があったこともあり得る」と語った。 3段目のロケットはヌリ号の中では最も小さいエンジンだが、正常に作動させるのは決して容易ではない。7トン級の3段目ロケットエンジンは、1段目の75トン級エンジンに比べ力は10分の1だが、ロケットのサイズは3分の1だ。3段目は、空気が薄く大気圧が低い高度258キロ以上のところで最後に燃焼するため、そのままだと火炎が横に広がっていく。このため火炎が噴き出す「ノズル」を大きく作らなければならない。コ・ジョンファン本部長は「ノズルなどを考慮すると、7トン級エンジンの方がはるかに苛酷な条件」と語った。 科学技術情報通信部(省に相当)は、ヌリ号開発陣や外部の専門家らが参加する調査委員会を立ち上げ、3段目エンジンの早期燃焼終了の原因を究明する計画だ。
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