Tuesday, March 16, 2021

最高熱効率50%! 電動化全盛のなかで日産があえてエンジン技術を磨くワケ - webCG

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高効率状態に固定して運用

まず、最高熱効率50%を可能にした技術をおさらいしてみよう。今回日産が開発したのは、「STARC(Strong Tumble and Appropriately stretched Robust ignition Channel)」と呼ぶ燃焼コンセプトだ。同コンセプトは、シリンダー内に入った空気のタンブル(縦渦)を強化することに加え、プラグでの点火エネルギーを高めることで、薄い混合気を高い圧縮比で燃焼させることによって熱効率を向上させるというものだ。

この考え方自体はユニークなものではない。現代のエンジンの多くはポンピングロス(吸気損失)を減らすために大量EGR(排ガス再循環)を実施している。排ガスが多く混ざった混合気は希釈(薄く)されているため点火しにくく、また点火しても燃え広がりにくい。この燃えにくい混合気を素早く燃焼させるため、多くのエンジンでタンブルを強化し、点火エネルギーを上げている。しかし従来エンジンの場合、運転条件により変化する出力要求に対応するため、エンジンの中の混合気の流動状態も絶えず変化する。このため、常に最適な状態で燃焼させるのは難しい。

これに対して今回開発した技術は、エンジンを発電専用に使う「e-POWER」と組み合わせることで、エンジンを効率の高い条件に限定して運転することにより可能になった。例えば従来は、低負荷領域でスロットルバルブを閉じ気味にするためポンピングロスが大きくなり、熱効率が大きく低下していた。エンジンを発電専用として固定した条件で運転することができれば、こうした熱効率の低い条件で運転することがなくなり、常に燃焼効率の高い条件で運転することが可能になるため燃費が向上する。

日産が開発した最高熱効率50%を実現する実験エンジン。(写真=日産自動車)
日産が開発した最高熱効率50%を実現する実験エンジン。(写真=日産自動車)拡大
シリンダー内のタンブル(縦渦)を強化し、安定した放電状態を形成。(日産自動車の広報動画より)
シリンダー内のタンブル(縦渦)を強化し、安定した放電状態を形成。(日産自動車の広報動画より)拡大

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