再起を賭ける正念場での人事刷新
ホンダは6年ぶりに経営トップの交代に踏み切った。国内外での工場閉鎖などを通じて拡大路線で伸びきった四輪車事業に大ナタを振るい、反攻への地歩が固まったとして新トップに「ホンダらしさ」の復活を託す。しかし、自動車産業が「100年に一度の変革期」にあって、時間は待ってくれない。
ホンダは2月19日、八郷隆弘社長の後任に4月1日付で三部敏弘専務取締役が昇格する人事を発表した。
八郷氏は2015年に社長に就いて以来、在任6年。三部氏は歴代社長が通過点としてきた子会社の本田技術研究所の社長を務め、次期社長候補と本命視されてきた。その意味で、今回のトップ交代は在任期間、人選ともども「順当」と受け止められた。
しかし、今のホンダにとっては再起を賭けるまさに正念場での人事刷新であり、「これで安泰」との雰囲気は社内にはない。
何しろ、「八郷体制」のこれまでの6年間は、四輪車事業で「世界販売600万台」の大風呂敷を広げた伊東孝伸前社長の拡大路線の“尻拭い”に終始する経営に他ならなかったからだ。
英国工場閉鎖は「ブレグジットとは無関係」
八郷体制が低迷する四輪車事業に切り込んだ数々の大ナタはそれを裏付ける。代表的なケースとしては、英国工場の閉鎖が挙げられる。
ホンダは2019年2月、英国のスウィンドン工場を2021年に閉鎖すると発表した。ホンダにとっては欧州連合(EU)域内で唯一の四輪車生産拠点であり、生産能力は年間15万台で約3500人の従業員を抱える。
当時は英国のEUからの離脱「Brexit(ブレグジット)」を巡り、「合意なき離脱」も視野に入っていただけに、ホンダの英国事業撤退には専ら「ブレグジットが要因」との見方が広がった。
ジョンソン英政権もEU離脱により自国産業の地盤沈下を懸念していただけに、ホンダの撤退表明には驚きを隠せず、「衝撃的な決定」(クラーク民間企業・エネルギー・産業戦略相)とストレートに不快感をもって反応した。しかし、八郷社長は「競争力の観点から(英国事業の継続は)難しいと判断した。ブレグジットとは無関係だ」と、あくまでホンダの合理的な経営判断と強調した。
からの記事と詳細 ( 「ホンダの正念場」次期社長に"生粋のエンジン屋"を選んだ決断の是非 英国事業から撤退、F1活動も終了… - PRESIDENT Online )
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