[ワシントン 4日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は4日、FRBの「政策スタンスは適切」とし、最大雇用達成まで現行の緩和的な政策を維持すると再表明した。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が終息し、景気が上向けば、FRBが緩和維持の確約を堅持しない可能性があるとの市場の見方をけん制する内容となった。
パウエル議長は米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)主催の米経済に関する会合で講演し、新型コロナウイルスワクチン接種の展開や政府の財政支援を踏まえ、FRBの二大目標である最大雇用と物価安定目標の達成に向け「近い将来一段の進展を遂げると考える十分な根拠がある」と述べた。
同時に「依然かなりの時間がかかる見通しだ」と表明。その上で「労働市場を最大雇用と見なす水準まで回復させたい」とし、失業率の低下だけでなく、賃金の増加や景気回復の初期段階で恩恵を受けないマイノリティー(少数派)などの雇用増など、「全ての回復を目指す」と強調した。
さらに、たとえ今春に予想通りに物価が上昇したとしても「FRBが辛抱強く対応することを明確にしたい」とし、景気回復がかなり進展するまで、緩和的な金融政策を変更することはないと言明した。
最近の米債利回りの急上昇については「注目に値し、留意している」としつつも、「無秩序な」動きとも、FRBによる介入が必要とも考えていないとし、「FRBの現在の政策スタンスは適切だ」と述べた。
パウエル議長FRBが利回り上昇に直ちに対応することはないと示唆したことで、議長の発言中に米10年債利回りUS10YT=RRはさらに5ベーシスポイント(bp)上昇した。
一部アナリストは、国債利回りの上昇が続けば、FRBは債券買い入れの増額などで積極的に介入できるとの認識をパウエル氏が示す可能性もあるとの見方を示していた。ただ、パウエル議長を含むFRB当局者は、利回り上昇はむしろ景気回復への信頼感を示すもので、FRBが監視している広範な金融情勢に大きな影響は及んでいないとしている。
ウィズダムツリーの債券戦略部門責任者、ケビン・フラナガン氏は「市場はFRBが長期債の買い入れを増やし、短期債の買い入れを減らすと表明することを望んでいるため、いくらかの失望はあった。約2週間後に連邦公開市場委員会(FOMC)を控えており、FRBがこうした変更を行うなら、市場に伝えるための格好の機会だった」と述べた。
オックスフォード・エコノミクスのチーフ米国ファイナンシャル・エコノミスト、キャシー・ボスティアンチッチ氏は「パウエル議長は利上げに向けた動きは極めて緩慢になると改めて確認した」と指摘。「市場はより確固たるガイダンスを望んでいたかもしれないが、パウエル氏にできるのはこれが最善だった」と述べた。
*内容を追加します。
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