
よりスポーツしやすくなったライディングポジション
MTシリーズでは、MT-09に合わせてミドルクラスのMT-07も’21年型でモデルチェンジを果たした。この07は2気筒であることや兄貴分ののキャラが尖りすぎていたことから、これまでエントリー向けのモデルと見られがちなところもあったが、私から見るとそれは間違いだということを改めてはっきりさせておきたい。たしかに扱いやすいエンジン特性や良好な足着き性、トラクションコントロールやクイックシフターといった電子制御を持たない代わりにリーズナブルに抑えた車両価格など、エントリー層にもオススメできるマシンではある。しかし、07はそれだけに収まらない、れっきとした”スポーツバイク”だ。 ──【’21 YAMAHA MT-07】■全長2085 全幅780 全高1105 軸距1400 シート高805(mm) 184kg ■水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ 688cc 73ps/8750rpm 6.8kg-m/6500rpm ■タイヤF=120/70ZR17 R=180/55ZR17 ●色:灰 青 暗灰 ●価格:81万4000円〈ギャラリー写真1〉 ──ライディングポジションは先代より大柄になったが、相変わらず手の内に入るサイズで前傾度もわずか。両足の腹まで地面に着いて取り回しも最高。車重差は5kgだが、それ以上に軽く感じさせる。[身長168cm/体重61kg]〈ギャラリー写真2〉 今回のモデルチェンジにてスタイルこそ09と似たようなフォルムに変わったが、ユーロ5対応が主目的で、エンジンや車体は先代からほとんど変わってはいない。そのエンジンは、ちゃんと下からの駆け抜けるようなトルクの盛り上がりがありつつ、上まで回していっても09の暴れん坊みたいな感覚はなし。二面性はないが、純粋に270度クランクのトルク特性を楽しみたい人には、クセがないぶん性に合うかもしれない。 ハンドリングは初代から受け継がれたかなり軽快な部類のままだ。それに加えて先代でフロントを中心に踏ん張りが与えられたサスペンションが、強めのブレーキングにもしっかり耐えてくれる。おかげで峠ではかなり元気に走ることができるようになり、スポーツ性が高まった。もっとも今回も基本設定は”よく動くサスペンション”であることには変わりなく、そのためにツーリングで長距離をクルージングするにはちょっと落ち着きが足りずに疲れやすく感じてしまうかもしれない。やっぱり07はスポーツするためのバイクなのだと思う。 スタイル以外に大きく変わった点としては、ハンドルバーが幅30mm延長されて高さは12mmアップされた。これはヨーロッパ人の体格に合わせたということだが、日本人にもちょうどいいサイズ感で、ライディングポジションは極めてスタンダード。スリムだった先代は女性ライダーにもオススメといった感じだったが、新型はもう少しスポーツ性を持たせるためにポジションを大柄にしてきたといった印象だ。 いずれにせよ、そんなに前傾姿勢になったり電子制御に頼るほどいろいろ苦労する必要なしに、素のエンジンの面白味とバイクのスポーツ性を集約させているのが07の魅力だ。初代から続く削ぎ落としたスポーツバイクの原点的な魅力をまったくブレることなく熟成したというのが、新型に乗った感想だ。 ──エンジンは耐摩耗性に優れたバルブシートを排気側に採用し、ミッションのドッグ角も変更。排気音は低速/低開度のパルス感を追求。〈ギャラリー写真3〉 ──ブレーキディスクはペータル形状から円形に。ディスクの大径化に伴い、正立フォークのアウターチューブが形状変更された。〈ギャラリー写真4〉 ──MT-09と同型のリヤブレーキディスクを採用。タンデムステップもMT-09と同型に。マフラーデザインは先代から継承している。〈ギャラリー写真5〉 ──MT-07はマイナーチェンジでユーロ5相当の平成32年排出ガス規制に適合。従来型をベースにエアダクト&排気系仕様変更/ECU仕様変更/FIセッティング最適化などを施している。デザインもシリーズ共通に。〈ギャラリー写真6〉 ──デザイン一新でシリーズ共通のフェイスに。バイファンクションLEDのモノアイにY字モチーフのポジションランプを組み合わせる。小顔で筋肉質が際立つ。タイヤはミシュランのロード5を装着し、ウイング状のテールカウルは形状変更。ハンドルは左右幅を32mm広く、高さは12mmアップした。〈ギャラリー写真7〉 ──メーターは新型の反転表示LCDマルチファンクションタイプに。バーグラフ式回転計/燃料残量/時計/ギヤ段数などを表示。〈ギャラリー写真8〉 ──燃料タンク容量は13Lで、WMTCモード燃費40.0km/Lと掛け合わせると航続距離はトレーサー9GTよりも長い520kmになる。〈ギャラリー写真9〉 ──シートは先代を踏襲。前後分割式で肉厚だがシート高は805mmに収まる。コンパクトなタンデムシート裏には荷掛けフックや工具が。〈ギャラリー写真10〉
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