米プラット・アンド・ホイットニー（Ｐ＆Ｗ）製エンジンの点検・回収でエアバスＡ３２０数百機が運行停止となった問題を受け、エンジンの共同開発に参画する独ＭＴＵエアロ・エンジンズの株式にも売りが膨らみ、これまで時価総額36億ドル（約5300億円）相当が吹き飛んだ。
12日までの２日間の株価下落率は23％に達し、18年前に上場して以来最大の下げを記録した。
ＭＴＵは11日、点検・回収の対象となったＰ＆Ｗ製「ギヤード・ターボファン（ＧＴＦ）エンジン」に絡み、通期の売上高と利益が10億ユーロ（約1580億円）押し下げられる可能性があると明らかにした。ＭＴＵは同エンジンプログラムに18％出資する。
だが、ＵＢＳグループのアナリストは、市場は2026年からエアバスＡ320シリーズ向けのＧＴＦエンジン出荷がゼロと織り込んでいる可能性があると指摘。こうした想定は正当化されないとして、「株価の反応は行き過ぎのようだ」との見方を示した。
ＭＴＵの広報担当は「ＧＴＦエンジンのコンセプトは健全だ」とし、「今後何年にもわたりこのエンジンプログラムの将来を完全に信じている」と述べた。
原題： Pratt Engine Partner MTU Loses $3.6 Billion of Market Value (1)（抜粋）
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