輸入車なのにエンジンは日本製!?
じつは日本の自動車メーカーのエンジンを搭載している輸入車が意外と多いってご存知でしょうか。エンジンとプラットフォームが別々のメーカーというクルマは、意外と知られていないだけで、そんなに珍しいことでもないようです(?)。ということで、今回はそんな「国産エンジンを搭載した輸入車」をいくつかご紹介していこうと思います。
国産エンジンのメリット、デメリットとは
輸入車は国産車と比べると故障が多い、というイメージを持っている人も多いでしょう。実際のところどうなのか、というのはわかりませんが、環境の違いによるマイナートラブルは多いと、アルファ ロメオのオーナーとしては思います。ゴムや接着剤の質の違いによる油漏れやら天井落ちというのは、長期間輸入車に乗っている人なら経験しているはずです。
それだけに、主要な部分が日本製であるというのは、大きな心の支えになります。アルファ ロメオ「156」のエアコンシステムがサンデン製とわかったときの嬉しさなんていうのは、計り知れないものがありましたし。ただ、クルマの根幹であるエンジンが国産であるというのは、いい点と悪い点があるかと思います。いい点としては、やはりトラブルが少ないということ。悪い点は、面白味としてはどうなのか、という部分です。
そこは国産エンジンを採用しようと考えた海外自動車メーカーも考えているようで、たとえば日産「GTーR」のエンジンや、世界最高峰の二輪車といっていいスズキ「隼」のエンジンを流用したスーパーカーは、そのエンジンを活かすつくりかたをしていますし、実用エンジンを採用したメーカーは、エンジンこそ普通でありながら車体の設計において走りを楽しめるものとしています。もちろん、資本や技術の提携などといった事情で国産エンジンを積まざるを得なかった、というものだってあります。
今回はそんな「国産エンジンを搭載した輸入車」をいくつかご紹介していこうと思います。
プラガ ボヘマ:チューンドVR38DETTを搭載したハイパーカー
チェコの自動車メーカー、プラガが2022年に発表したハイパーカーが「BOHEMA(ボヘマ)」です。プラガは古くから重工業や自動車、航空機産業などを手掛けてきた会社ですが、1930年代にはレースでも大活躍をしていました。
そんなプラガが最新ハイパーカーとしてつくったのが、ボヘマです。カーボンモノコックとカーボン製外板を採用し、F1チームが開発に使用している風洞での実験によってデザインを決定したこのクルマのエンジンは、日産GTーRに搭載されているVR38DETTとなっています。
ただ、ノーマルのまま搭載しているのではありません。オイル潤滑をドライサンプとし、制御も変更するなどして、最高出力は700ps、最大トルクも725Nmまで上げられています。このチューニングを担当したのは、イギリスのリッチフィールド・エンジニアリング。そのことからエンジン型式はPL38GETTと変えられていますが、ベースとなっているのは日産の匠が組み上げたエンジンです。
ケーターハム セブン170R:超軽量ボディだからパワーはなくても走りはピカイチ
フォーミュラカーのようなシンプルな構造を持つ、公道を走ることができるレーシングカーとして1957年にデビューしたロータス「セブン」。その製造と販売権をケータハム社が受け継いだのは1973年のことで、以来ケータハムはさまざまなエンジンを搭載したセブンをつくり続けてきました。
2014年、そのセブンにスズキのK6A型エンジンを搭載した「セブン160」が発売されました。日本でのK6Aは自主規制で64psという最高出力に抑えられていましたが、セブン160に搭載されるときには80psという、本来そうであったであろう出力となっていました。
そして2021年、エンジンをR06A型に換えた「セブン170」が登場します。最高出力は85psとK6Aより5ps上がり、R06Aの重量がK6Aよりも軽いということもあって、車重は440kgとセブン160より50kgも軽くなっています。
そのためこのセブン170の走りは、軽自動車のエンジンとは思えない鋭いものとなっています。もともと、1.8Lなど排気量の大きいエンジンを搭載している状態では、ドライビングスキルがなければパワーを持て余す、あるいはパワーを使いきれない、という傾向があったセブンだけに、トータルで見たときのバランスという意味では、ベストチョイスなのかもしれません。
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