[11日 ロイター] - 米航空機エンジンのプラット・アンド・ホイットニー(P&W)の親会社RTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)(RTX.N)の株価が、11日のニューヨーク市場で2年ぶりの安値に沈んだ。
P&Wが手掛ける「ギアード・ターボファン」方式エンジンで見つかった製造過程における欠陥を巡る回収・検査の影響が、当初よりずっと大きくなることが判明したためだ。
RTXは7月、同エンジンに使用している冶金用粉末が部品の亀裂につながる恐れがあると述べ、9月末までに対象の200基を回収する方針を示した。
ところがこの日、RTXは回収の必要があるのはエアバスの中距離旅客機「A320ネオ」に搭載されている600─700基で、検査期間は今年から2026年まで要するとの見通しを明らかにした。
修理期間の見積もりもエンジン1基当たり60日から最大300日に延ばされ、26年まで年間で平均350機が飛行停止を余儀なくされる可能性がある。来年前半には650機が飛べなくなる事態もあり得るという。
RTXはこの問題への対応費用が予想より大幅の60億─70億ドルになると説明し、向こう数年間に税引き前ベースで最大35億ドルも利益を目減りさせると見込んだ。
また25年のフリーキャッシュフロー目標を90億ドル引き下げて75億ドルとしたほか、今年の予想売上高を55億ドル下方修正した。
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