Monday, September 11, 2023

石川エナジーリサーチ、エンジン式ドローンによる約50km連続飛行の実証実験に成功 - ドローンジャーナル

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 2023年9月1日、石川エナジーリサーチ(以下、IER)は、自社開発のエンジン式ドローンにLTEモジュールを搭載し、50km超の長距離飛行を達成したことを発表した。

 同社は、独自開発の無振動エンジンにより、エンジンによるパワフルさとエンジンで発電した電力による電動制御を両立するドローン「ハイブリッドフライヤー」を開発している。

 同実証では、高性能ドローンの社会実装に向け、福島ロボットテストフィールド浪江滑走路を起点に、片道10kmの海上航路を2.5往復する総計50kmの飛行を目指した。同社は今後も、物流や測量、監視、林業、防災などさまざまな用途を想定し、社会課題解決に資する高ペイロード、長時間飛行の高機能なドローン開発を行っていくとしている。

実証実験の概要

 2023年6月22日、ハイブリッドフライヤーと衛星通信を使用して海上22kmの飛行を実施。8月9日には、同機にて通信手段をLTE回線に変更した上で、50kmを超える飛行に成功した。

<テレメトリ通信と周囲監視>
 目視外飛行となるため、機体の監視(周囲映像、テレメトリ)を行う必要がある。ハイブリッドフライヤーは長距離飛行が可能なため、今回のデモでは沿岸部で通信が可能なLTEを使用した。

<飛行区間>
 福島ロボットテストフィールド浪江滑走路から福島県南相馬市小高区村上横砂の海岸線。

<飛行ルート>
 福島ロボットテストフィールド浪江滑走路から海へ出て、海上を10km北上南下を2往復、5kmを1往復し、浪江滑走路に戻ってくるルート。合計約50km。

<飛行結果>

 飛行時間は、想定時間70分に対し実際は約80分となった。飛行速度45km/hで飛行する予定であったが、海上の風速は地上よりも強く、向かい風の際には失速することもあり、想定より長い時間になったという。今回伝送に使用したLTEモジュールの通信状態は非常に良好で、離陸地点の飛行本部で確認できるリアルタイムの飛行映像の伝送も途切れることはなかった。

当日の飛行環境
風速 地上:0〜5m/s程度 時折突風
天気 晴~曇り(不安定)
気温 30°C

<機体仕様・特徴>

項目 仕様
機体寸法 2306×2538×875mm
機体重量 30.5kg(ガソリン2.3kg含む)
最大離陸重量 35.5kg
ローター構成 HEXA構成
ローター仕様 32インチ*11インチ
バッテリー 容量 6S Li-Po 8000mAh×2
燃料タンク容量 3.5L
燃料種 ガソリン
飛行可能風速 ~5m/sを推奨
飛行可能時間 60~80分
使用温度 0~40°C

無振動エンジン
 IER独自の特許技術を生かした理論上無振動のエンジン。フライトコントローラ内のIMUセンサへの影響がない。

マグネシウム合金フレーム
 メインフレームとアームにマグネシウム合金を採用。マグネシウムの比重は1.7で実用金属の中で最も軽く、CFRPとほぼ同等。

※画像:石川エナジーリサーチ プレスリリースより

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