Tuesday, March 23, 2021

エンジン継続はトヨタと同じでも株価高騰、ドイツ勢のしたたかさ - 日経ビジネスオンライン

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 3月15日の週は、ドイツの自動車各社による電気自動車(EV)関連の発表が毎日続き、さながら「EV祭り」だった。月曜にフォルクスワーゲン(VW)がパワーデーと称し、電池戦略を公表。火曜日以降は、VW、BMW、アウディ、ポルシェの順番に年次記者会見を開いた。

 いずれもEVのプレゼンテーションに力を入れ、質問もEVに集中した。その答えをよく聞くと、各社首脳は巧みな回答を用意していた。そこで、「沸騰・欧州EV」シリーズの3回目は、ドイツ勢と日本勢の電動化目標の違いを検証してみたい。(今回に予定していたボルボ・カー幹部のインタビュー記事は、次回に掲載します)

BMWのオリバー・ツィプセ社長は17日の記者会見でEV戦略などを熱っぽく語った

 17日に開催されたBMWの年次記者会見で、オリバー・ツィプセ社長が特に熱弁を振るった場面があった。しっかり説明したかったのだろう。筆者の感覚では、多くの質問の中でもとりわけ長く回答した。記者がスウェーデンのボルボ・カーなどを引き合いに出し、新車へのエンジン搭載を全廃する時期を質問した際に、要約すると以下のように答えた。

 「世界の多くの市場で自動車を販売している。それゆえ1つの技術に依存するには早すぎる。電動化を進めていくのは間違いないが、それはすぐに1つの技術(エンジン)が終わることを意味しない。エンジンにも未来はある。顧客がそのタイプの車(エンジン車)を欲しくないというのであれば、生産を止める」

 ボルボ社長「吉利とエンジン統合、EV化阻む過去の遺産はもうない」でインタビューを掲載したように、ボルボのホーカン・サミュエルソン社長は30年までにエンジン搭載の新車販売をやめる方針を宣言した。しかし、BMWのツィプセ社長は、多様な地域で販売していることを強調し、エンジン搭載車の新車販売をやめる時期を示さなかった。

BMWは17日、クーペの新型EV「i4」を発表した

 ただ、EVシフトは明確に打ち出した。25年までに累計200万台のEVを販売し、30年までに世界の新車販売の半分をEVにすると発表。同日に公開した「i4」のほか、今年は新しい旗艦EVとなる「iX」を発売する。

 併せて30年代初頭には傘下の小型車ブランド「ミニ」をEV専用ブランドにすることを発表した。ミニは25年にエンジン搭載の最後のモデルを発売するとしたが、BMWグループ全体ではその時期を明確にしなかった。

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