エンジン関連修理・整備[2021.03.20 UP]
HONDA S600のエンジン全バラ&OH! その3
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一般的なエンジンブロックなら、初めからこの状態になるが、AS-E系エンジンでは、この状態にするまでに様々な苦労がある。今回もスタッドボルトはサビが原因で数本折れたそうだ。オーバーサイズボーリングはアッパークランクケースと一体で行う。
内燃機加工依頼前に極めて重要な「段取り」進行
エンジンのオーバーホール時には、内燃機加工のプロショップへ作業依頼することが通常だが、 その前にユーザーサイドで事前段取りしておかなくてはいけないのが、ホンダスポーツの エンジンブロック(ホンダ部品名称/アッパークランクケース)段取りである。この段取り作業が重要なのだ。
スタッドボルトを抜き取りボルトで固定
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シリンダーヘッドをアッパークランクケースへ締結する長いスタッドボルトが組み込まれた状態では、まともに作業進行できなくなってしまう。そこで、アッパーケースのヘッド締結スタッドボルトをすべて抜き取り、ダミーボルトでスリーブを固定。
抜き取り失敗で折れ込むスタッドボルト
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アッパーケースの上部にはパーツリスト図が示すように何本ものスタッドボルトがある。
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このボルトが邪魔でスリーブのオーバーサイズ加工ができないため、抜き取り後にダミーボルトで締付ける。
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スリーブは低圧入後に締め付け固定だが、低圧入部分にはOリングが入る。しかし、ここからの水漏れが多く、数多くのユーザーが泣かされたはず。現在は高性能なシリコン系液体ガスケットを併用。
シート当りが異常だった排気バルブ
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2バルブヘッドの4気筒なので吸排気バルブは各4本ずつ。分解した排気バルブは、何故だかアタリがヘンで120度方向に3箇所しか当たっていなかった。これではアイドリングが安定しない状態だったはずだ。
純正STDボアだったピストン
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分解したエンジンから出てきたのは φ54.5mmのSTDサイズピストンだった。同年代のCB72はボアφ54mmだがピストントップ形状はまさしくCB72と酷似。ピストンリングは鋳物製オイルリング一体型だ。
専門店の125OSピストンを チョイス
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ホンダスポーツ専門店から発売されているオリジナルピストンを組み込んだ。φ54.5mmに対してショップ在庫は1.25OSのφ55.75mmしか無かった。スタンダードサイズからこのピストンを超えるオーバーサイズもあるようだ。
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偏ったアタリでバルブシートとの密着性がまるで出ていなかったシリンダーヘッド。バルブフェース研磨機で磨き上げられた吸排気バルブはご覧のような仕上がりだ。
フェース加工機はiBアレンジの米国製
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過去にメンテナンスされていたのだと思うが、吸排気バルブガイドにガタはなく、ステムも痩せていなかった。吸排気バルブは井上ボーリングでフェース加工をお願いした。アメリカ製研磨機を独自に改良して使っている。
コンディションが良いエンジン作りで極めて重要なのが、良い圧縮からの爆発燃焼を得ることだろう。今回分解したエンジンには、何とSTDボアのノーマルピストンが組み込まれていた。エンジンコンプリートで持ち込まれたため、事前にコンプレッションデータは測定していないが、ピストンリングの減りや吸排気バルブのアタリ具合から、決してコンディションが良い状態ではなかったことは、察することができる。
今回は、現代的なハガネリングを採用したショップオリジナルのオーバーサイズピストンを組み込む。理想的には、僅かなボーリングで済む0.50OSもしくは0.75OSをチョイスしたかったが、ショップ在庫が1.25OSしか無かったので、φ55.75mmのピストンを購入。ちなみに同サイズから、さらなるオーバーサイズピストンが数種類ラインナップされているそうだ。
その昔、ホンダはアッパークランクケースやSTDサイズのスリーブを部品供給していた時代もあった。当時は、内燃機加工を依頼せず、アッパークランクケースに新品の純正スリーブと新品の純正STDサイズピストンを組み合せ、エンジンリビルドすることが可能だった。また、オーバーサイズピストンを組み込む際にも、アッパーケースとシリンダースリーブを一体化してボーリング依頼するのではなく、鋳鉄スリーブ単体でボーリング&ホーニング依頼する例も珍しくなかったそうだ。
しかし、スリーブ単体でボーリング&ホーニングを施した後にアッパーケースへ圧入すると、ケース側の加工精度に影響され、せっかく高精度に加工したスリーブが、ケースへの低圧入によって歪んでしまい、結果的にはエンジンコンディションが著しく低下。本来持つべき性能は発揮されず、オイル上がりや偏摩耗による抵抗過多で、気持ち良く走れないエンジンに仕上がってしまったこともあったそうだ。
そんな現実を踏まえ、オーバーサイズピストンを組み込む際には、ボーリング依頼前にアッパーケースのスタッドボルトをすべて抜き取り、新品Oリングと液体ガスケット(トヨタ純正指定の黒色シリコンガスケット)を併用し、スリーブを低圧入。それから締付けボルト代わりになるダミーボルトでスリーブフランジを規定トルクで締め上げ、内燃機ショップにボーリング&ホーニング依頼している。
シリンダーヘッドに関しては、吸排気バルブを抜き取ると、バルブステムの減りやバルブガイドに目立ったガタは無かった。しかし、排気バルブのフェースが偏アタリをしていたので、吸排気各4本のバルブはフェース加工を依頼した。
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