Tuesday, February 8, 2022

ターボエンジンで武装した新時代ホットハッチ! 2000年代に誕生した高性能コンパクトカー3選 - くるまのニュース

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2000年の初頭に、名だたる国産スポーツカーの多くが姿を消しました。しかし、高性能車の火が消えたわけではなく、新たな高性能車も誕生。そこで、2000年代に登場した新時代のホットハッチを、3車種ピックアップして紹介します。

2000年代に誕生した新時代のホットハッチを振り返る

 2000年代の初頭といえば、日産「スカイラインGT-R」やトヨタ「スープラ」、マツダ「RX-7」、三菱「GTO」といった名だたる国産スポーツカーが姿を消しました。

2000年代に登場した超魅力的なホットハッチたち
2000年代に登場した超魅力的なホットハッチたち

 その理由としては、排出ガス規制や安全性能の強化をクリアできなかったこと、メーカーの経営状態によること、スポーツカー市場の規模が縮小したことなどがあり、また、それらが同時多発的に作用したということが考えられます。

 一方で2000年代には、高性能なエンジンを搭載したコンパクトカーが、比較的多く登場しました。

 Bセグメント、Cセグメントのコンパクトカーをベースにした高性能グレードであれば、優れた走りだけでなく、ピュアスポーツカーにはないユーティリティの高さも魅力のひとつでした。

 そこで、2000年代に登場した新時代のホットハッチを、3車種ピックアップして紹介します。

●マツダ「マツダスピード アクセラ」

FFながら264馬力もの大出力エンジンを搭載した「マツダスピード アクセラ」

 マツダの現行ラインナップのなかでも、先進的なメカニズムとスタイリッシュなデザインが高く評価されているモデルといえば「マツダ3」です。

 このマツダ3の前身となるのが2003年に発売された「アクセラ」で、さらにその前身だった「ファミリア」の後継車として開発されました。

 ボディはCセグメントの4ドアセダンと5ドアハッチバック「アクセラスポーツ」が設定され、2006年にはアクセラスポーツをベースにした高性能モデルの「マツダスピード アクセラ」が加わりました。

 エンジンは最高出力264馬力を発揮する2.3リッター直列4気筒直噴ターボエンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTが組み合わされ、駆動方式はFFの2WDのみと割り切っていました。

 また、フロントがストラット、リアがマルチリンクの足まわりは専用チューニングされ、ハイグリップな18タイヤと強化されたブレーキ、デファレンシャルギヤにはトルセンLSDが標準装備されるなど、大出力のエンジンにシャシが負けないように、トータルでチューニングされていました。

 ハイスペックなモデルながらエアロパーツはリアのルーフスポイラー程度と、外観はかなりおとなしく、一方、内装ではスポーツシート、アルミ製の各ペダル、レッドステッチが随所に使用されてスポーティに演出されていました。

 その後2009年には第2世代のマツダスピード アクセラが登場しましたが、この代をもってマツダスピード仕様は消滅してしまいました。

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●三菱「コルト ラリーアート バージョンR」

かなり入念に作り込まれていた三菱を代表するホットハッチの「コルト ラリーアート バージョンR」

 現在、三菱のラインナップでベーシックカーといえば、2012年に発売された6代目「ミラージュ」ですが、それ以前にベーシックカーのポジションを担っていたのが、2002年に登場した「コルト」でした。

 そして、2004年のマイナーチェンジで、ショートワゴンボディの「コルトプラス」の追加と同時に、最高出力147馬力を発揮する1.5リッター直列4気筒DOHC MIVECターボエンジンを搭載した「コルト ラリーアート」と「コルトプラス ラリーアート」が設定されました。

 さらに2006年には、コルト ラリーアートをベースにしたハイチューンのモデル「コルト ラリーアート バージョンR」が登場しました。

 外観はフロントスポイラーやディフューザー形状のリアバンパー、エアアウトレット付きのボンネット、樹脂製オーバーフェンダー、ルーフスポイラーなどが装着され、コルトを戦闘的なフォルムに変えました。

 エンジンは最高出力154馬力(後期型では163馬力)を発揮する1.5リッター直列4気筒ターボを搭載し、組み合わされるトランスミッションは5速MTとCVTを 設定。

 シャシも強化され、各部に施されたスポット溶接の増し打ちなどの補強により、ねじり剛性はベースに対して約30%向上。足まわりも強化スプリングの装着やショックアブソーバーの減衰力アップに、ステアリングのギア比をクイック化することで、優れたコーナリング性能を発揮しました。

 また、内装ではスポーツシートを装着し、乗車定員を5名から4名にするなど、生粋のホットハッチというキャラクターを明確にしていました。

 2008年にはシャシ剛性をさらに高めた「コルト ラリーアート バージョンR スペシャル」が限定販売され、かなり本格的につくり込まれていたチューニングモデルでした。

 しかし、2012年にコルトとともにコルト ラリーアート バージョンRは生産を終了。現在に至るまで三菱の高性能コンパクトカーは消滅したままです。

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●ダイハツ「ブーン X4」

見た目に似合わぬ本格的な戦闘マシンで競技でもクラス最強だった「ブーン X4」

 かつてダイハツは国内外のラリーとダートトライアルを中心に、モータースポーツへの参戦とサポートを積極的におこなっていました。

 とくに盛んだったのが1990年代から2000年代にかけてで、モータースポーツベース車の「ミラ X4」や「ストーリア X4」を開発し、さらに2006年にはストーリアX4の後継車として「ブーン X4」を発売しました。

 ベースとなったブーンはトヨタと共同開発したベーシックなコンパクトカーでしたが、ブーン X4には最高出力133馬力を発揮する936cc直列4気筒ターボエンジンが搭載され、駆動方式はフルタイム4WDを採用。

 トランスミッションはクロスレシオの5速MTのみを設定するなど、スタンダードなブーンとは完全に別物のマシンに仕立てられていました。

 外観はボンネット上にインタークーラー冷却用の大型エアダクトを設置してブーンを戦闘マシンへと変貌させ、このインタークーラーには冷却両のウォータースプレーを装備するなど、完全に競技での性能を重視していました。

 エンジン以外でも、前後スタビライザーを装着した強化サスペンション、機械式LSDをフロントのデファレンシャルギヤに搭載し、わずか980kgという軽量な車体も相まって高い運動性能を発揮。実際に競技でも同クラスの最強マシンとして君臨しました。

 なお、普段使いにも適するように快適装備が充実した「ハイグレードパック」も設定されていました。

 その後、2009年をもってブーン X4の生産を終了。2010年に2代目ブーンが登場しましたが、高性能グレードはラインナップされず、現在の3代目も同様です。

※ ※ ※

 高性能なコンパクトカー、いわゆるホットハッチは欧州が起源とされています。

 そんなホットハッチは日本の道路事情にもマッチしたサイズで、繰り返しになりますが使い勝手も良好で、人気を集めたジャンルでした。

 しかし、近年は国産ホットハッチも激減してしまい、現状では風前の灯火といった状況で、今後も増えることは難しいといえます。

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