Thursday, February 10, 2022

エンジンオイル交換時に愛車を汚さないためのテクニックあれこれ。ヤマハSR400編 - ウェビック バイクニュース

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定期的なエンジンオイル交換は愛車のメンテナンスに必要不可欠な作業のひとつです。古いオイルを抜く際に、汚れたオイルがあちこちに付着するのは仕方ないと諦めているオーナーもいることでしょう。しかしちょっとした手間でオイル汚れを防止できることもあります。ここでは人気のヤマハSR400を題材に、オイル交換時のアイデアを紹介します。

ダウンチューブから前輪に向かって飛び出すオイルには厚紙のエプロンが有効


エンジンの前側にあるフレームのダウンチューブをオイルタンクとして利用しているヤマハSR400。ダウンチューブ下部のドレンボルトを外す前に、段ボール製のエプロンを取り付けておく。タンクから流れ出すオイルに勢いがあるので、ある程度コシの強い素材を使用する。


ドレンボルトは10mmのメガネレンチで取り外すM6ボルトで、根元のドレンワッシャーは銅製。ダウンチューブの下にはエンジンのアンダーガードがあり、排出口から滴るオイルが付着するのでこの隙間にウエスを突っ込んだり、ダウンチューブにガムテープを貼って短冊のように垂らしておくと流れ込みを防止できる。


ドレンボルトを外すとタンク内のオイルが勢いよく飛び出し、段ボール製のエプロンに当たってからオイルドレンパンに流れ込む。


タイヤやホイールへのオイル跳ねを懸念することなく抜けきるのを待っていられる。タンク内の残量が減るに従って勢いが減衰するので、エンジンアンダーガード側に伝わるオイルに気をつける。

エンジン内部だけでオイルが循環するウェットサンプに対して、エンジンの外部にオイルタンクがあるのがドライサンプの特徴です。両者の割合としては、わざわざ別体のオイルタンクを付けずに済むウェットサンプが多数派で、オイルパンがないためエンジンの全高を低くできる、車体が傾いても別体タンクから供給されるエンジンオイルによって潤滑が維持されるドライサンプは少数派です。

そんなドライサンプ車を代表する1台がヤマハSR400です。同じドライサンプでもホンダCB750KやカワサキW1がサイドカバー部分にオイルタンクがあるのに対して、SRはフレームのダウンチューブをオイルタンクとして利用する合理的な設計になっています。このオイルタンクのドレンボルトはフレーム下部に前向きに付いており、ボルトを外すとタンク内のオイルは前輪に向かって飛び出します。

排出されるオイルはオイルドレンパンやオイル処理ボックスなどでキャッチしますが、この際に飛び出したオイルが前輪に降り掛かるのが気になるオーナーは多いはず。ハンドルを左右どちらかに切っておいたり、フィラーキャップを外さずドレンボルトを緩めるなどの対応策がありますが、飛び出すオイルをエプロンでキャッチするという対処法もあります。

具体的にはフロントフェンダーに厚紙や段ボールを貼り付け、前輪下に置いたドレンパンに差し込むだけです。こうしておいてドレンボルトを外すと、飛び出したエンジンオイルは確実にキャッチされて前輪を汚すことはありません。ハンドルを切っておけばタイヤはオイルの軌道上から外れますが、ドレンパンで跳ねたオイルがトレッド面やホイールに付着することがあります。しかしこの方法ならタイヤやホイールは確実に保護できます。オイルで汚れた厚紙がゴミになりますが、パーツクリーナーとウエスでタイヤを拭くより良いでしょう。

タンクから排出される量が減ってくると、フレームを伝ったオイルがエンジンとアンダーガードの隙間に流れ込んでいくので、排出口の下に七夕の短冊のようにガムテープを垂らしておくのが有効です。エプロンと短冊によって、SRのオイルタンク周辺の汚れは大幅に軽減できます。

POINT

  • ポイント1・ドライサンプのヤマハSR400はフレームのダウンチューブをオイルタンクとして活用している
  • ポイント2・エンジンオイルは前輪に向かって飛び出すので、厚紙をフェンダーに貼っておくことでタイヤやホイールを汚す心配がなくなる

クランクケース裏のドレンボルトはクリアファイルを差し込んでから緩める


キャブレター時代はストレーナーカバー下は何もなかったが、フューエルインジェクション仕様となり燃料ポンプやインジェクターなどの部品が新たに装備された。そのため行き場を失ったレギュレーターレクチファイアがストレーナーカバーの排出口と交錯するエンジン下部に移設された。


ストレーナーカバーとレギュレーターレクチファイアの隙間に、適当な大きさに切断したクリアファイルを挿入してからドレンボルトを外せば、オイル汚れを防止できる。ただし挿入した先が下がると、そちらにもオイルが流れていくので要注意。

ドライサンプエンジンのオイルはエンジン内とは別のオイルタンクに入っていますが、エンジン内を循環したオイルはクランクケース下部から吸い上げられてオイルタンクに戻るため、いくらかは溜まっています。

SR400の場合、クランクケース下部にオイルに混ざったゴミや汚れを濾過するストレーナーがあり、そのカバーに横向きにドレンボルトが付いています。吸気系がキャブレター時代はエンジンの底面がオイルパン(パーツリスト上はストレーナーカバー)でしたが、2010年にフューエルインジェクション仕様となった際に電装部品の配置が変更され、ストレーナーカバーの下にレギュレーターレクチファイアが取り付けられました。

その結果、ストレーナーカバーのドレンボルトを外すと流れ出たオイルがレギュレーターレクチファイアに掛かるようになってしまいました。ウェットサンプエンジンと異なり、このドレンボルトから多量のオイルが排出されることはありませんが、電気部品にオイルが付着するのは気分の良いものではありません。またレギュレーターレクチファイアの上面に付着したオイルを拭き取るためにそれ自体を取り外すのも面倒です。

そこでお勧めなのが、エンジンとレギュレーターレクチファイアの隙間にクリアファイルを差し込んで汚れ防止とする方法です。厚紙より柔軟性があり油分をはじくクリアファイルでレギュレーターレクチファイアをカバーしておけば、余計な部分を汚す心配はありません。古いオイルが出てしまえば、排出口とクリアファイルに付着したオイルをウエスで拭き取れば車体下部を汚すことはありません。

POINT

  • ポイント1・ヤマハSR400にはエンジン内部を循環したオイルが一旦貯留されるストレーナーカバーにもドレンボルトがある
  • ポイント2・フューエルインジェクション仕様のSRでストレーナーカバーからオイルを抜く際はレギュレーターレクチファイアに汚れ防止のカバーをすると良い

オイルフィルターエレメントを外す際はエキパイをカバーれば洗浄の手間を省略できる


SR400やセローなど、オイルフィルターエレメントカバーを外すとエンジンカバーにオイルが流れる機種は、エレメントカバー下のエプロンが有効。エキゾーストパイプに付着するとマフラー側まで汚れが広がるので、エプロンで保護しておきたい。


オイルタンクからオイルを抜いても、オイルフィルターエレメントケース内には一定量のオイルが残っているので、カバーを外せばどうしても流れ出る。エプロンを付けていれば、流れるそばから慌てて拭き取る必要はない。

エンジンに内蔵されたオイルフィルターエレメントのカバーを外す際にもエンジンオイルがあちこちに付着することがあります。SR400の場合、右側クランクケースカバーを伝ったオイルはエキゾーストパイプやエンジン下部に流れます。この場合、メインスタンドではなくサイドスタンドを使用することで、エレメントケース内のオイルの流出量を減らすことができますが、取扱説明書などに従ってメインスタンドでオイル交換を行っていれば、ケース内からダラダラと流れ出します。

ここでもあらかじめエレメントカバーの下部にエプロン状のオイルガイドを貼り付けておくことで、マフラーやエンジン下部に流れるオイルをガードできます。素材としてはクリアファイルや厚手のビニール袋などがおすすめです。エレメントカバー内のオイルは少量なので、エキパイとクランクケースカバーの隙間にウエスを押し込んでおけばオイル汚れの範囲を制限できます。ですがオイルドレンパンに流れ込むようエプロンをつければ、オイル流出後の洗浄はもっと楽になります。

ドレンボルトやオイルフィルターを外してもエンジンや車体がほとんど汚れない機種がある一方で、SR400のように準備なしでドレンボルトを外すと想像以上の範囲に影響が及ぶ機種もあります。ドレンボルトやオイルフィルターを外した時にオイルがどのように流れるかを想定して養生しておけば、ウエスやパーツクリーナーを慌てて取りに走ることなくスマートなオイル交換作業ができるようになります。

POINT

  • ポイント1・オイルフィルターエレメントカバーを取り外すとエレメントケース内に残ったオイルがエンジンカバーからエキゾーストパイプに付着する
  • ポイント2・エレメントカバー下部からエキパイにかけてシート状のカバーを掛けておけば、エンジンやマフラーの汚れを防止できる

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