Thursday, February 17, 2022

次世代の航空機エンジン、文科省とJAXAが開発へ…水素燃料でCO2排出ゼロ - 読売新聞オンライン

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 文部科学省と宇宙航空研究開発機構( JAXAジャクサ )が2022年度から、液体水素を燃料に使う次世代の航空機エンジンの開発に乗り出す。二酸化炭素(CO2)を排出しない「水素航空機」が将来、世界的に主流になる可能性があり、中核技術を確保して航空産業の国際競争力を高めたい考えだ。

 文科省が18日、航空科学技術分野で重点的に取り組むテーマや工程表を有識者会議に示す。ここに水素エンジンの開発を盛り込む。

 JAXAはロケットの燃料として液体水素を使ってきた。その経験を生かし、燃料をエンジンに送るポンプや燃焼器、燃料タンクの材料などの研究開発を30年度まで進める。

 液体水素は零下253度の低温のため、冷却能力を活用して超電導モーターと組み合わせる計画もある。最終的には、開発した技術を国内のエンジンメーカーなどに移転する。

 日本の航空産業は、三菱重工業が国産ジェット旅客機の事業凍結に追い込まれるなど、完成機を自力で設計・製造する技術が不足しているが、水素エンジンの開発で巻き返しを狙う。

 航空機の脱炭素化は、現在の大型旅客機が退役し始める30年代以降を見据えて、米欧を中心に研究開発が活発化している。欧州大手エアバスは、35年までの水素航空機の実用化を目指している。水素は燃焼してもCO2を排出しない一方、現状では安全性やコストに課題がある。

 国土交通省によると、19年度の国内のCO2排出量のうち、運輸部門は18・6%を占める。そのうち航空分野は約5%だが、乗客1人が1キロ・メートル移動する際の排出量はバスの1・7倍、鉄道の5・7倍に上る。

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